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「没入」をつくるものたち

大好きなスタイリストさんがいます。
大草直子さんです。

いい年の取り方をしているなぁというのと、いつも素敵な笑顔に惹かれて、毎年いろんなブランドとコラボしているのですが、昨シーズン、私が好きな洋服ブランドさんとコラボした時のメッセージがこちらでした。

「華やかもハンサムも手にして、人生の主役になろう」

そのメッセージを読んだよき、とてもしっくりきたんです。

コロナ禍を経て、停滞していたものがだんだんあちこちで爆発してきて、私たちもなんとなく自分を解放したい気持ちになってきて、そんなウズウズ感をグッと後押しするような言葉でした。


「自分の人生の主役になろう!」

「ほんそれ!」と立ち上がって叫びたくなるくらい、時代の空気感とともに言葉になっていない気持ちを表してくれたなぁと感心したものです。


ひとはどんな時に没入する?


先日の「ニイガタIDSデザインコンペティション」

の授賞式の中で行われたトークセッションで、審査員の土居輝彦さん( (株)ワールドフォトプレス monoマガジン編集ディレクター)の口から、現代のキーワードの一つに「没入」があると話されていました。


話を聞きながら
「じゃあ私たちの干し芋にとっての没入ってなんだろう…」と考えながら話を聞き、悶々しながらその場では答えは出なかったのですが、以来ずっと「没入」について考えていました。


人はどんなときに没入できるんだろう?
そんなことを考えたときに、3つ、要素があるなぁと思いました。
一つは、
「私が主役であるとき」。

そう、主役。
ここで繋がるんです。
つまり誰がこう言うからとか、誰がああだからではなく、「私」を主語に考えて、決めて、動いて、自分がどんな感情を抱くかも含めてすみずみに私が決定権を持っていて、その結果、現実が動いている。

私を主語に生きることは、頭も使うし、主体的に考えるし、エネルギーも使う。子分ごとであるから、没入してく感覚があります。その大きさには大小あるかもしれませんが、自分の人生に熱中している状態でしょうか。

ちょっと話はそれますが、以前チームラボの展覧会に行ったときがそうでしたが、その展示品を写真に撮りたい、と言う気持ちよりは、その空間の中にいる自分たちを撮りたい、と言う感情が大きかったです。

そう、私たちが主役なんです。
そんな気持ちを刺激させる仕掛けが展示品にはたくさんありました。
これを映えって言うんでしょうが!



それに関連して二つ目は
「五感が刺激されているとき」も没入するための大切な要素です。
最近のVRもゲームもいろんなエンタメも、そして昨日まで東京で開催されていたゴッホ・アライブ展も

身体感覚を提供することで、よりその世界観に没入させます。


私が最近好きなオーディオブックもそうですよね。
読むだけだった小説が耳から聞くことで、より没入感が得られる。もはや最近私は小説は読むものではなく、聞くものだと思うくらい、オーディブルの小説体験にハマってます!


自分の五感が刺激されている状態は、完全に自分が主役の状態にさせてくれますよね。(あー、ゴッホ・アライブ行きたかった…)


最後は、やっぱり「好きなことをしているとき」。
自分の好きなことは延々とできちゃいますもんね。

その中で、ニイガタIDSデザインコンペティションの受賞作品の中にシャーペンの芯がヤスリになっているものがありました。

https://www.nico.or.jp/ids/works/6278

私にとっては当初「へー」くらいの商品だったのですが、よくよく聞いているとプラモデルなど細かい作業をする人にとってはたまらない商品だそうで!!
なるほど、誰かの「没入」をサポートする商品なんだな、とすごく感心しました。

最近の推し活グッズも、没入サポート商品ですもんね。


なるほど〜なるほど〜
そんなことを考えながら、じゃあ、お客様のどんな没入タイムに干し芋が寄り添えるのか、サポートできるのか、よりその没入タイムを豊かなものにできるのか。

そういう視点では、農園では届け方をもっと深めて考えられそうだなぁと!
それはお客様たちが今、どんなことに心を砕いていて、没入していて、それを観察することでもあるんだなぁ。



童話の場合の没入は?


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