ビジネスから、作品づくりの世界へ〜ビジネスストーリーメイキング講座に参加する〜
夢に対して、真正面から向かってみようと思った。
え?私の夢?
実は誰にも言えなかった夢がある。
この秋からNewsPicksが行うNewSchool「学ぶ、創る、稼ぐ」に通い始めた。講座は株式会社コルクの佐渡島庸平さんと、映画監督の大友啓史監督を講師に迎えストーリーメイキングを学ぶ、「ビジネスストーリーメイキング」講座。
そう、実は「こころ動く詩や言葉を書いて、生きたい」のが本当の夢。
先月10日、第1回目の講座が銀座で開催された!!
コロナぶりのTOKYO!!!
結果、どうだったかって?
「あああ、こういうインプットをしたかったのだああ〜〜」と感動と衝撃とワクワクと嬉しさで、帰りはガラガラの新幹線の隅っこで打ち震え、興奮冷めやらぬまま眠れぬ1日となったのだ。
干からびた大地から、天を突くほどの勢いで温泉が湧き出てくるような天変地異的エネルギーが、私の中で湧き起こる。はて、私の中で何が起きたのだ???
ビジネスの世界は、天下一武道会
今までずっと、打ち込んでみたいと思ってたものだったからというのが第一。
そしてもう一つ、第二の理由がありました。
それは、今の私が存在する農業界や経営の世界より、(青臭く感じるかもですが)自分らしくいていいと思えたから。
子どもの頃から、心のどこかで抱いていたけれど、人には恥ずかしくて話せなかった夢「詩や、ことばを書いて生きたい」。この夢を隠し、今までの人生の中で一番心動いた「農業」を表現したいテーマと(ひそかに)捉え、まずは自分自身が農業経営をするようになったなぁと振り返る。就農きっかけとなった中越地震の復興ボランティアで、未来を変えようとする限界集落の素敵な農業者さんたちと出会ったのが大きかった。そうして師匠の背中を追いながら、変化した自分の値観や美意識を追いかけていました。
しかし、独立し、ちゃんとした農園として頑張れば頑張るほど、不思議なことに(農業だと当たり前ですが)規模拡大、大規模経営に向かってゆくのです。
仕事大好き人間なので、めちゃめちゃ働きますが、頑張れば頑張るほど、自分のほしい未来から道が外れて行っているように感じました。ちょ、いつの間に線路変わったの???!!!
さらに産後超絶忙しくなってしまい、夜の会合的なものに出れなくなり、政治的なやりとりや営業活動的なものが行われる世界からも断絶し…。子育てしながらの継続にも発展にも腕力のいる世界、「ビジネス」の世界にしがみつき続けることに疲れてしまった。この世界は、独身の方か、家庭のことを考えなくてもいい男性が戦う種目だと気付いてしまった。
お、おら、もうダメだ・・・。
「男性」をインストールして頑張った顛末
数字や量や規模で価値が決まり、見えない勝ち負けがあり、マウントの取り合いがあり、棚の取り合いやら差別化やら、競争であり、理不尽なこともある腕力勝負の世界。農業や地域はさらに根深い男性社会。
だから、私は「男性」をインストールして、仕事に関してはまるで「子どもがいないかのように」頑張ってきたように思う。
なので、背伸びをしようとするし、強がるし、小さな嘘もつく。
しかし、無理をするから長くは続きません。
同居しているじじとばばには大きな負担をかけ、
深夜、寝室と事務所を無線で繋げて仕事をしていると、よく子どもが泣いてやって来て、保育園の忘れ物も多く、子どもの話も聞いているようで、上の空。経営でも、家庭でも、私じゃなきゃいけない場面が頻出し混乱。
そして、とうとう仕事で大きなトラブルが起きた時、私は体も心も壊してしまったのだ。反省。大反省。
ものづくりをするときは、背伸びしてはいけない
一方、作品作りは逆でした。
作品作りにおいて大切なことは「好きのおすそ分け」。そのためには、自分の感情を大切にすることや、背伸びをしないこと、伝えたいと思うことに対して素直になることなどを学びました。
背伸びしなくていいんだ。
自分のありのままの感情を注視し、形にするのか・・・!
岩戸が開き、アマテラスオオミカミ様登場!世界が光を取り戻すがごとく、私の心にも太陽が広がった。今までエッセイを書いていた時も、どこか背伸びをしていたかもしれない。ダメダメ、ちゃんと素直でいこうと思い直した。
もちろん農園でも、自分が欲しいものや、心動いたものを起点に商品を作っていた。講演に呼んでいただいて、農業や日々の感動を話すことや、日常で心動いたことをエッセイに書いたり、イラストにするのも、とても楽しかった。まさに好きのお裾分け。私自身、自然の中で農業をしているとき、地域の人といろんな交流をしたとき、めっちゃときめいていた。
しかし、ものづくりまではそれでいいけれど、経営は別の競技だった。
あれ・・・私、経営向いてないのかな(汗)
感情と感性の精度を上げる
ビジネスは、価値を生み出し、提供すること。その起点には感情がある。
でもそれをマネジメントしてく経営は、ある程度感情と距離をとって、論理的ノーミソさんとか理性的ノーミソさんとかも招集し、数字や情報に注視し、分析・判断を瞬発的にせねばな画面もある。「直感」も大事だけれど、それを裏付けるのは情報や経験で、ちょっと違う技術に感じる。だから本屋さんのビジネス棚にはたくさんのノウハウ本が並ぶ。
作品作りは、感情と感性の精度を上げる鍛錬だが、経営はもう少し総合力。
私自身まだ経営もひよっこなので、思い違いのところもあるかもですが、少なくとも、自分の感情や感性に真正面から向き合っていい作品作りの世界にどっぷり浸かれること、本当に嬉しくて嬉しくて仕方がなかった1日だった。
私が今まで師匠や農業やたくさんの見てきて風景や人からいただいた、心動く日々たちを、改めてちゃんと形にしたい。