作法通りいただかない、お抹茶と上生菓子
今日、長月で日本茶のワンデーカフェをやった。
HAPPA STANDさんという岐阜県美濃市のお茶屋さんに来ていただき、お茶とお菓子を提供していただいた。
煎茶や玉露、とうふちょこれーとなど、お茶とお菓子を選べるようにしていたのだけれど、今回のメインはやはり抹茶と上生菓子のセット。松、竹、梅、の3種のグレードから抹茶を選んでもらうのだが、価格も全く違うし、味わいも違うので面白い。
上生菓子も5種類ほどあり、食べ比べなどするとその味わいの違いがわかる。なかなかない体験ができたと思う。
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今まで、抹茶は好きだけどどうも「美味しい〜!大好き〜!」というほど思い入れはなく、たまに飲みたいな〜とは思うけどこれといって飲める場所に行くこともなく、自分でも点てたことはない。
上生菓子に関しては、なんとなく「甘ったるい上品な饅頭みたいなもの」程度の認識しかなく、まあ苦味のあるお茶と食べると合うとは思うけどわざわざ買うほどでもね・・・くらいの感じだった。
ところが、今日、お店の一角でこのワンデーカフェをやって気づいたのだけど・・・・お抹茶と上生菓子がめちゃくちゃ美味しい・・・・!
一気にファンになった。
もちろん、抹茶の茶葉の質がいいとか、点て方がいいとか、お菓子が本当に美味しいものだからとか、、、色々理由はあるかもしれない。でも一番感じたのは「作法を気にせず、素直に味わえたから」だと気づいた。
お抹茶を頂くシーンがあるとすると、京都なんかの茶屋だったりとか、場合によっては少しかしこまった席になることもあるだろう。
これはあくまで個人的な過去の経験だけれど、お茶会などであればそれなりの作法が必要であるしその方が美しいとか、文化的な意味合いがあるとかなんだろうけれど、、、カジュアルな茶屋や和カフェなどですら、私は作法をいつも気にしてしまっていた。
大してよくわかっていない割に、お椀を何回回すのかな?とか、和菓子をいただいてからお茶飲むんだよね?とか、最後にスッと音を立てて飲み切るのって難しくない?とか、考えながら飲んでいた。
そんな必要ないのに、、、と、今ならわかるのだけど、抹茶を頂くというのは作法とセットなのだと認識していたので、いつも窮屈な思いがあった。
今回、自分の店で「カジュアルにお抹茶を楽しむ」意味合いで企画して、本当に良かったなと思うのは、自分自身も抹茶に対しての「怖さ」みたいなものが一気に薄れたからだ。
もちろん、作法が大切なシーンもあるとは思う。
けれど、根本的にはまずじっくりと自分のペースで自分の好きなタイミングで飲んで、食べて、楽しむことが一番ではないか。
お客様にも、何度か「どうやって飲むんでしたっけ?」なんて聞かれたけれど、私は「作法は関係なく、好きなようにぜひ飲んでください。(作法的にはタブーですが)お菓子と交互に食べると、甘い、苦いが混ざり合って美味しいですよ。お友達と交換したりとか飲み比べもいいですね。」なんて伝えたりもした。
お茶の先生がいたら叱られるかもしれないけれど、自分が美味しいと思う食べ方で、自由に召し上がってもらいたいと思った。
今日のエントリー的なイベントを元に、抹茶に興味が出れば作法をきちんと調べたり、お茶の教室に通ったりしてもいい。
ただ単純に「お抹茶美味しかった!」と思ったら、自分の世界も広がるし、
またどこかでお茶を提供される際に興味が深くなるだろう。
私はこの、ただ単純に「お抹茶、上生菓子って美味しいね!」という機会が作れたことが本当に良かったと思った。
これからも、何か企画をするときは自分自身の疑問を解消できるようなものをやってみたい。
楽しい一日。
企画のきっかけを作ってくれたスタッフのル・マンド、提供してくれたHAPPA STANDさん、ありがとう!