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熱すぎる人の熱を取り払ったところに見えるもの。
少し前のこと。
とある輸入雑貨メーカーさんから、熱烈とも言えるメッセージが届いた。
長月のお店の雰囲気も好きだし、活動も素晴らしいし、ぜひ当社の商品を取り扱って欲しい、という主旨のメールだ。
もちろん、ただ熱いだけでなく、「あの時のこのイベントがどうよかったか」とか「こういった商品を扱っているならこれもいいかも」みたいな、かなり具体的な面で「褒め」や「提案」があり、これは一度やりとりしてもいいかも・・・と思わせるものだった。
嬉しかった。
もちろん、扱っている商品も魅力的だった。
金額やテイスト的に、常時取り扱う商品というよりは、POPUPで期間限定で販売するのが良いかなと思い、こちらも具体的に「こんな風にやるのはどうでしょう?」という提案をした。
返事は毎回長文で、熱意があり、とても真剣に取り組んでいただけているのがわかった。
だからこちらも、できる限り良い提案をしたいと、日にちや商品数やラインナップなどを具体的に進めていた。
でも、何度かやり取りするうちに、どうしても先方のやりたい方法(やれる方法)と、うちが求めている方法が少しずつずれているのに気づいた。
どちらも悪くない、具体的にすればするほど、日程が微妙に合わないとか、在庫のあるラインナップが微妙に希望と違う、数量が微妙に確保できない、、、、など、本当に「微妙なズレ」。
お互いが、なんかピタッとうまくはまらないな〜と感じながらのやりとり。
もしかしたら、えいや!とやってしまってもいいくらいの、お互いの誤差。
今までだったら疑問に思わず、それくらいは仕方ないかとやっていたかもしれない。
結果としてはきっとやってしまえばまったく問題なく、お客様も喜んでくれて、楽しい時間になるに違いない。
それくらい、メール上では一時的に盛り上がっていた。
でも、なぜか、何かが引っかかった。
「こちらも開催したい気持ちはありましたが、今回は難しそうです。また、在庫や日程がちょうど合う時があれば是非お願いしたいです。たくさん提案いただき本当にありがとうございます。」と、お断りした。
残念だけど、仕方ない。
丁寧にお返事したつもりだった。
が。
返事がない。
いや、返事がなくてもいいのだけどね、お取り引きは成立しなかったのだし。
でもなんか、すごく熱いやりとりをしたのに、急に返事がないなんて、、、。
怒らせてしまったのか、もう時間を割くのが勿体無いと思われたのか、、、あのやりとりをしていた時の熱い想いはどこか宙に舞って、所在無さげに空間を漂っているようだった。
行き場のない、あの時間。
***
私は、昔から「熱すぎる人」があまり得意じゃない。
(あ、特定の誰かのことではないですよ!念のため。)
勢いや、その熱で、真正面から向かって来られると冷静な判断がしづらくなる。
それは、その人が悪いわけではなく、相性の問題かもしれない。
その熱意に、飲み込まれてしまう気がする。
その勢いが、正しい気がしてきてしまう。
お互いがフェアであるはずなのに、熱量のある人の方がすごい人みたいに思えて、何かうまくいかないとその熱に乗れなかった自分が悪かったような気がしてしまう。
でもそうじゃないはず、というのは、最近は分かっているので「熱い人にはクールな思考で」対応しようとつとめることができるようになった。
目の前の熱を取り払って、相手の言わんとしていることを冷静に読み取る。
そうすると、熱かろうが冷たかろうが、その感情に流されることなく、判断ができるような気がする。
これは訓練。
そうすると、熱い人でもきちんと冷静に対応できるようになってくる。
今はそれができる。
だから熱い人だからって苦手、とは、今は思わない。
先の、メーカーさんは熱い人だった。
私は熱に浮かされず、冷静に状況を判断してお断りをした。
ただそれだけのことだけど、なんとなく、ちょっと、書いて消化しようと思う程度には寂しかった。
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