生理用品のパッケージデザインは、誰のためのものなのか? #NoBagForMe
なんとなく、あ〜あ、って思ってお風呂でモヤモヤしたので書いて消化することにしよう、生理用品についての話題を。
自分自身の身体について気兼ねなく話せる社会を目指す #NoBagForMe というプロジェクト。
立ち上げ理由やその活動の内容は割愛して、私自身単純に、今回のソフィの「生理用品(タンポン)のパッケージデザインの「新しい選択肢」を考えよう」という趣旨の商品開発についてはとても興奮していた。
私にとって生理用品とはパッケージがダサすぎて選びたくもない、けど、選ばざるを得ないから仕方なく買っていた、という存在。
ほんとやばい、絶望デザイン。
絶対に買いたくない。
安易にピンクにするな。
花やキラキラを飛ばすな。
言いたいことはわかる。
でも決定的に違う。
ハートを飛ばすな。
せめてこれくらいならどうにか・・・でもあともう一歩・・・
日本にある生理用品のパッケージってどんなに探してもこれ止まり。
絶望的。
でもパッケージを変えようなんて個人ではそんな発想もなかった。
だから、今をときめく素敵な人たちが率先して生理用品のデザインを考えてくれる・・・!ということで本当にこの活動は期待して、楽しみにしていた。
まず、プロジェクトチームがたくさんのデザイン案から3案まで絞り、そこから一般投票で1位になったものを商品化する、というものだ。
その3案がこちらだった。
正直、どれもこれも「女性らしい」「かわいい」イメージで、個人的にはそんなに好みではなかったけれど、あえて選ぶなら・・・・と、一番シンプルなB案にした。
一般投票の多数決での結果は、C案のネコデザインが1位でA案と僅差とのこと。
ふ〜む。
多分、5人の中では五味ちゃんの感覚が好きだ、私は。
しおたんさんも困惑。
そもそもプロジェクトチームのメンバー自体、このプロジェクトへの思いや求めるところ、そしてセンスや好みがみんな違うのだ。
(決めるの大変そう・・・・)
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まず、「デザインを一般公募の多数決で決定する」というのが「選ぶ人の好み」になってしまう点で、プロジェクトの主旨とのズレが生じてないだろうか?
「ジェンダーレス、男性でも手に取りやすいように」とか「今までにないデザイン」とか「持っていて恥ずかしくない」とか、そういった視点で選ばれるべき(多分)であるものが、最終的に「好み」による多数決で良いのだろうか。
好みによる多数決は、結局のところマジョリティ向けなもの、売れやすそうなものが選ばれる結果になるのではないだろうか。
実際にそういったものが企画したかったのか・・・少し疑問だった。
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そしてもう一つ。
「メリコの法則」を重要視して検討されたとプロジェクトのnoteに書かれていて少し引っかかった。
メ・・・目立たなくては誰も見てくれない
リ・・・理解されなくては価値が伝わらない
コ・・・好感を持たれなくては検討してもらえない
メリコの法則は基本的には「売れるもの」「人気のあるもの」を作る法則である。
乱暴にいってしまえば、この法則に従うと「マジョリティ向け商品」が優位になっていく。
大多数の人が「いい!」と思うデザインを検討することが、果たして今回のプロジェクトの主旨と合っているのか・・・疑問だ。
そもそも従来の(絶望的ダサさの)パッケージデザインだってメリコの法則に則って作られているはずだから。
人によって「生理用品のパッケージデザインに求めるもの」は違う。
その「選択肢を広げるための新しいデザイン」という意味では、C案のネコのデザインもある意味ありなのかもしれない。
ネコのデザインが可愛い、おしゃれ、と思う人が多いということは一つの正解ではある。(私は買わない、というだけで)
そこでふと私が思い返したのが、「果たして私は、本当におしゃれなパッケージが欲しいのだろうか?」ということだ。
はじめに3案のパッケージデザインから自分の欲しいものを選ぼうとした時、「おしゃれなのがいいな〜どれだろう?」という気持ちでBのシンプルなデザインを(しぶしぶ)選んだと思っていた。
でもよくよく考えると「おしゃれなデザイン」ではなく「できるだけシンプルなデザイン」を選んでいただけだった。
私は物を買うときに、特にその物自体に特別なデザインへのこだわりがなければ「なるべく柄や色が少なく主張しないもの」を選びたがる。
もちろん、めちゃくちゃ好みのデザインやこだわりのアイテムであれば好きなデザイン、おしゃれだと思うものを選びたい。
ただ、日用品や消耗品に関しては特に、ダサいくらいなら最低限「視覚的に邪魔にならないデザイン」であれば買う理由になると感じている。
そう、冷静に考えて私が生理用品に求めているパッケージデザインは「視覚的に邪魔にならないデザイン」だ。
今までダサすぎた。
だから今欲しいものは、まず1段階目として「ダサくない、見た目に特別な印象を与えない、視覚的に邪魔にならない、シンプルなデザイン」だ。
「おしゃれ」「かわいい」「かっこいい」「持って恥ずかしくない」「気分が上がる」「ジェンダーレス」は主観的すぎる。
人によってセンスの基準は違いすぎるから、その基準を持ち出すと「やっぱり好きなものができなかった」という人がなくならない。
だから「おしゃれな必要はなく、色はモノトーン、柄やメーカー名や売り文句は極力なし、デザインのないデザインのもの」が、今の段階では正解な気がする。
言ってしまえば、無印良品で作ってくれたらとりあえずは満足すると思う。
無印が支持されているのは、「おしゃれ」とか「かわいい」とか「かっこいい」とか、人によって意見が異なる感覚的なデザインではなく「視覚的に邪魔にならない」デザインであることが一番だと思っている。
もちろん、生理用品の分野でいつの日かデザイン的な志向が成熟したら、さらなる選択肢としての「デザインされたデザイン」のものが増えていくのは嬉しいけどね。
それはまた次のフェーズだ。
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ちなみに海外のこの生理用品のパッケージデザインは「視覚的に邪魔にならない、かつ、(私的に)おしゃれ」だ。
これ仕組みまですごい。
生理用品のサブスク。
私が最終的に欲しいデザインとはこういうものだよ。
商品化はされていないけど、これもすごく好き。
邪魔にならないデザイン。
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いろいろ書いてしまったけれど(急な熱量)、私はこういった「思考停止せず、従来のものに疑問を投げかけ、変えていこうとする勇気ある活動」自体はものすごく応援したい。
なんなら自分もこの活動に参加したい。
そんな気持ちを持ちつつ、#NoBagForMe のプロジェクトの活動をこれからも楽しみにしよう。
まずはどのデザインに決まるか・・・ドキドキしながら。
自分が楽しいことをしてたらうっかり周りも楽しくならないかな?という気持ちで活動しています。応援してもらえるととても嬉しいです!