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公開処罰か非公開処罰か【スナック記vol.1】

その日の客は、公開処罰派だった。

とある街の成人式の日、
無差別に墨汁を撒き散らし、高価な振袖を汚すという事件があったそう。
また、ある街の回転寿司屋では、回る寿司に悪戯をし、
店側、客側を不快にさせた事件があったそう。

己の鬱憤を社会に吐き出す未成年、
悪は誰なのか?
加害者たちは何故モザイクで守られるのか?

社会に吹き出た膿人間を切って世の中に公開したところで、
膿ができた原因を解決しないと、
また違う場所から膿が吹き出てくるに違いない。
そして、摘出されたこの膿人間はこれからも、生きていく。

公開処罰で名前と顔を世の中に晒したところで、
数ヶ月経てば、その名前も顔も、ほとんどの人は忘れていく。
けれど、
きっと加害者を知る者たちには残る。
そのコミュニティーの中でこれからも生きていく加害者には、
大変な更生が必要で、これも一つの報いなのだろう。
しかし、
この社会で生きていくために立ち直り、立派な人間になるんだぞ。
という、社会の期待通りに実際いくんだろうか?
上手くいったのだったら、そのニュースを公開してほしい。

そうしたら、
膿物語を知ることができるかもしれない。

スナック記vol.1
HAVE A BEAUTIFUL DAY
KanakoNezzz

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