周りと比べない、自分のスピードを、まもる
産婦人科の助産師になって、1ヶ月が経とうとしている。
でも、まだなにもできない、という思いに
時々押しつぶされそうになる。
特に夜とか。
助産学校で習った、助産師としての関わり方とか、
国家試験のためにも必死に勉強した、病気の知識や、看護の方法も
妊婦さんや産婦さんとの関わり方も、
まず覚えるべき“業務”、例えば
どうやって患者認証をすると、とか
カルテから情報をどうとる、とか
どこで、どう申し送りをする、とか
採血、点滴、薬剤投与はどうする、とか
物品はどこにある、とか
方法が、わからないから
それを覚えることに必死だ。
基本的な方法ですら、
1度教えてもらっても、すぐに思い出せなかったり、
思い出せても不安だったりして
前に進んでいるのかよくわからない。
ただ、先輩方のスタンスとして
“後輩がわかっていないまま、1人でやらせない”
“できないことはできないと自覚し、尋ねたり、勉強してほしい”
“わかっているのか、わからないのか、わからないこともわからないのか、伝えてほしい”
と、言ってくださるのは、気が少し楽になる。
それはすべて、患者さんの安全のため、だ。
別の病棟の同期が、
新人看護師の全体研修で学んだ点滴や採血をしたよ、とか
患者さん受け持ったよ、とか
看護記録書いたよ、とかきくと
私はまだ、1人で何かさせてもらえてない...
と、落ち込んでしまった。
きっと病棟ごとに、教育方針は異なっていて、
特に産婦人科は、助産師としての教育方針をたててくださっていて
その流れに、今は必死に乗っている。
乗っていると思う、たぶん。
毎日、6人とか受け持つ助産師さんの後をついて、ケアを見させてもらい、
できることはさせてもらい(ほんの少しだけど)、
どうしてこんなふうに関わったのか、
そもそもこれはどうやるのか(業務、方法的な話)、
尋ねるだけで精一杯だ。
正直、毎日へとへとになる。
1日、一つ何か、確実に覚えたいと思う。
それが積み重なれば、数ヶ月で、何百にもなるはずだから。
そして、他人と比べないこと。
一人一人経験することは、感じるとは、毎日違うから。
経験できる看護も、その日によるんだから。
私は私のペースで
スピードで、前に少しずつ、進めたらいいな、と思う。
毎日、帰りに、そう思って一息つく。