私たちは「戦争」を理解しているか〜戦争体験を取材して思うこと〜
「デマが浸透しているな」と感じたのは、戦争体験者に取材を始めてすぐだ。
13年ほど前、特攻隊について調べ始めた。知覧や遊就館へ行き、大戦関連の本を読みあさった。そしてある日、テニス誌の取材で、当時日本テニス協会会長だった盛田正明さんに取材をした。
「僕は特攻隊の生き残りなんですよ」と盛田さんが言った。
学校に将校が来て、国の危機だと言われた。「自分が国を守らなければ!」と思ったという。中学校を中退して予科練に入った。「生まれてからずっと日本は戦争をしていたから、自分は戦争で