新史「太閤記」を読んだら、激しい現代を生きるのに必要な武器が全部つまっていた
今回は、私が個人的に好きな小説、【新史】太閤記について書きました。
この本は、知人から勧められて読んだのが始まりです。
小説の主人公は実在した戦国武将・豊臣秀吉です。極貧の農民から太閤とこの世で最も出世した偉人と言われています。
ちなみにこの本3周はしていますが、読了する度に毎回感想が変わり、「経営者やビジネスマンの方のためのエッセンスがかなり詰まっているなぁ。」と毎回違う感想を抱き、感心しています。
元々農民の出身から太閤に成り上がった秀吉は、数々の名言を残しています。私の好きな名言が以下の2つです。
「猿・日吉丸・藤吉郎・秀吉・大閣、これも又皆がいやがるところでの我慢があったればこそ。」
「やるべき事が明確であるからこそ、日夜、寝食忘れて没頭できる。」
豊臣秀吉の生い立ちから太閤に出世するまでのストーリーをざっくり説明すると
両親は元々愛知県の小さな農村の貧乏な家庭に生を受けています。
幼少期はあまりに家が貧乏なのでお寺の召使いとして働いていた秀吉ですが、とある転機が訪れます。
たまたま休息にと寺に訪れた商人と出会ったのです。そこから商売人の世界に魅力され、生きてきた故郷を離れ、商人の道を歩むことを決意します。
そこから並外れた人身掌握術、知略、行動力を活かして出世します。
そんな私にとって経営のエッセンスとなるストーリーをまとめてみました。
是非ご覧ください。
①セオリーを疑う
秀吉の凄いところはセオリーを疑うところです。セオリーとは、常識のことを指します。
当時の戦のセオリーは、相手の軍より量を率いて肉弾戦で勝つという何とも体育会系な戦略でした。
簡単な話、資本力と戦闘力が長けていることが最重要だったのです。
そして敵領地を奪います。敵の城に攻め入り、領主や子供を惨殺するという手段も当たり前に取られていました。
そこで秀吉は、武力をあまり用いず、無血開城を行います。通常、相手の城に攻め入る時は惨殺をする方法が多かった当時ですが、秀吉は血を流さずに城主を人質にし、傘下に加えるという戦略を取りました。
具体的には、城の姫を人質にし、火炙りの準備をします。そこで領主に対して全面降伏して秀吉の傘下に入るか姫および身内を火炙りにされるかの二択を迫ります。
そこで大抵は傘下を飲むので血を流すことなく相手を自分の戦力に引き込んでしまうのが秀吉の固定概念に捉われない凄みです。
②敵を作らない
秀吉は敵を作りません。
秀吉は、織田信長に仕えていたことで有名です。元々、気難しい信長の家来になれたのも信長の草履を身体で温めて渡したという心憎い演出がきっかけとされます。
当時、織田信長の家臣は明智光秀、丹羽長秀などそうそうたるメンバーがいました。彼らは有力武家の出身の者ばかりです。元極貧農民の秀吉とは毛並みが違います。
それが理由で秀吉は身分の違う者が急激な出世することに周りから反感を買っていました。
それ以上に反感を買うようなことをすれば暗殺されてしまうかもしれません。
秀吉にとって彼らに一層認めてもらうことが必須となります。
あらゆる手段を使って秀吉を悪くいう者に対しては腹を割って直接話す&理解をしてもらうということで和解を試みるんですね。
一方、信長が死んだのは前述の家来・明智光秀に謀反を起こされたことがきっかけです。
信長は恐ろしくカリスマ性があり、統率力があったものの恐怖政治で部下を動かしていました。
他の武将からも恨みを買っていたに違いありません。血で血を洗う戦国時代においては手下から裏切りに遭うことも大いにあります。
それを秀吉は十分理解していて、「敵を作らない」を実践していました。
現代でも、ドラマで大手企業の役員がライバルの出世をあらゆる手段で阻む展開ってよくありますよね(笑)
結局、そういう人は周りの味方がいなくなって血の底に叩き落とされる。そして周りの信頼を獲得している人が大出世するというお決まりのパターンです。
周りの人を1on1で大切にし、自分を認めてもらう努力を怠らなかった秀吉の勝ちです。
③情報を武器にする
秀吉は情報を何より重んじる武将でした。
諜報機関である隠密(忍者)を雇って、他国の情勢を把握するという手間を欠かさなかったのが秀吉の凄いところです。
現代と同じく、戦国時代も情報を得られるかどうかで勝敗を決します。
しかし、前述したように当時の戦は総合戦闘力が全てという風潮がある中で秀吉は何よりも情報を重じました。
・普通の武将の考え→相手よりも多くて強い兵で戦うことで勝つ。
・秀吉の考え→情報を武器にして、勝つシナリオを作り、出陣する頃には既に勝っている。
戦に対する前提が違いますよね。
他国の武将が兵士に訓練をさせて鍛え、軍団をつくっている間に
秀吉は、他国への食料や物資のルートを断つ、誤った情報を伝えさせ、混乱を招いた上で仕掛けることで親玉を隔離させるなど情報操作を巧みに使いこなしていたのです。
おわりに
いかがだったでしょうか?
小説はその人の擬似体験ができるところから読むのが個人的に好きです。
特に歴史を作ったような人の自伝や小説は、生きるためのエッセンスが詰まっています。
現代のビジネス戦略などはこのような昔の戦や軍事的戦略が応用されたものだとも言われていますので擬似体験で手っ取り早く体感できるのも良いところです。
このような本を読むことで気づくことも多いのではないでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました!!