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【中学生】親が口を出す問題ではない、けれど

今春、我が家の双子が中学校に入学し、
無事二人の部活も決まった。

次女、音楽部。
三女、卓球部。

ちなみに、中3の長女は陸上部。
見事に全員ちがう。
予想はしてたが、オーマイガーである。

土日もそれぞれ練習や大会、演奏会がある。
それも、午前・午後、時間や場所も様々。

普段、バス通学の我が子たちは、平日は決まった時間のバスで通学しているが、休日は直通のバスが2〜3時間に1本しかない。

という事は、母は送り迎え人生のスタートである。正直、最近は平日より土曜日が一番忙しい。
がんばれ、私。

さて、本日は、お小遣いの記事でバズったうちの次女の、部活決定にまつわる紆余曲折を書きたいと思う。


うちの次女は、生粋の不器用である。

若かりし頃、「私、生き方は不器用ですが、手先は器用なんです!!」と先輩に啖呵を切ったニュータイプの高倉健みたいな私とは違い、次女は生き方も手先も、両方不器用。ただ、親からするとそこが可愛い。

そんな次女は昔から音楽を聞くことが好きで、
何よりも音楽番組を見るのが大好き。

スマホを持って一番にしたいことは「音楽を聴きたい」だったし、サンタさんへのプレゼントにはBluetoothのヘッドフォンを頼んだくらいだ。

そんな彼女が「音楽部に入りたい」と言ったことに何の驚きもなかったが、問題が一つ。


次女は音符が読めない。


ピアノ習わせてあげればよかったな…、と後悔したが仕方ない。私は英語教室の先生なので、平日夕方は授業があり、子どもたちの習い事の送迎が出来ない。よって、双子は私の英語教室に通う以外の習い事をしていない。

私も本人も、音符が読めないのに音楽部なんて入って大丈夫なんだろうか?という不安があった。

でも、次女は入学早々、音楽部の先輩に確認し、
「音符が読めなくても大丈夫!」と言われ、安心して帰ってきた。
母は思う。本当に、大丈夫なのだろうか…。

次に、音楽部=ほぼ吹奏楽部であるうちの中学校。あの子、楽器弾けるのかな…?という心配。何せ生粋の不器用である。

しかしこれも、体験入部初日に早速音楽部に行った次女は、フルートやトランペット、クラリネットを吹いて音を出し、
「音を出すだけで大変なのに、キミ才能あるね!」と言われてホクホク顔で帰ってきた。

ここまでくると、音楽部の上級生たちの営業力に感心する。

①不安をぬぐい→②良い気持ちにさせ→③入部へ結びつける!

めっちゃ営業、上手!!見習いたいわ〜。

そんな次女も体験入部で「やっぱり音楽部に入りたい!」という気持ちを固め、更に一番上手に音が出たフルートを第一希望にして、顧問に提出してきた!と嬉しそうに帰って来た。

フルートがどのくらいの重さで、どんな風に持って、どんな風に音が出るのか、楽しそうに私に教えてくれた。その姿を見ているだけで、私は嬉しかった。

ところが。

2日後、新入生数人と一緒に顧問に呼ばれ、
「君たちは希望通りの楽器担当になれないかもしれないけど、それでもいいか?」と通告される。

全体の人数が少ない中でフルート希望の子は多かったらしく、先生は色々考慮して、フルート担当の新入生を決めた。

しかし、それは次女ではなかった。

「あなたが未経験者だからじゃない?」
と私は言ったが、
「みんな未経験者だもん。」という。

次女いわく、唯一のフルートの1年生が選ばれた理由は「家にフルートがあるから」らしい。でも、その子自身は未経験で、おそらくお母さんの物だという事。

次女はその理由に全然納得がいっていないようだったが、まぁ、先生の気持ちもわからんでもない。

「で、あなたは結局何担当になったの?」

「トロンボーン。」

ト、ト、ト、トロンボーン!?

フルートがだめで、トロンボーン??
それは似て非なるものじゃないか?

トロンボーンって、あの、なっがい管を前に出したり引いたりするやつでしょ?そんなん、こっちの加減で音変わるやん!!なんか、フルートよりも、全然難しそうじゃない?

せめて、トランペットとか、息吹いてボタン押したら正しい音が出る、みたいなやつにしてもらったら??…だって、不器用なあなたに、そんな難しい楽器…


(これはすべて、母の心の叫びである。
もちろん本人の前では言わなかった。)

「トロンボーン!!かっこいいじゃん!」
何とかポジティブな言葉をひねり出す。

結局、次女は2~3日
「あー、フルートやりたかったなー。」とつぶやいていた。

たかがフルート、されどフルート。
母としては、あの体験入部初日に、私の前でフルートを吹く様子を真似てくれた次女を思い出し、何かしてあげたい気持ちになる。

一瞬、「そんなにフルートがやりたいなら、先生にもう一回言って、フルートをどうしてもやりたいとか、違う楽器に変えてほしいとか伝えたら?」とも思った。

…が、口には出さなかった。

本当に、ホントに一瞬だけ「私から先生に言ってあげようか?」とも思ったが、そちらも、すぐにその考えを打ち消した。

次女いわく、
「別にトロンボーンも嫌じゃない」らしい。

本人は前向きに進もうとしている。
それなら尚更、親が口を出すべきではない。


親だから、やっぱり一瞬、過保護に
「この子のために、自分は何が出来るんだろう?」と考えてしまう。
そしてそれを口に出してしまいそうになるし、行動に移してしまいそうになる。

でもそういうのは、本人がそう感じて、自分で判断し、そこから初めて自ら訴えたり行動に移すべきで、何度も言うが、親が口を出す問題ではない、と思い直した。

先日voicyで高尾ママさんの放送を聞いていた時、同じような「親が口を出すべきか」という話があった。

例えばお友達とのもめごと。先生との関係。
お友達がいつもキツイ言い方をしてくる。
先生がネチネチ怒る。部活の指導が厳しい。

学校に通うだけで、親が心配したくなるような、本人もどう対応してよいか悩むような問題がたくさん起こる。

「親が口出す問題ではない」の判断基準は、むずかしい。

親として、我が子がケガをして帰ってきたり、体調を崩したり、これは見過ごせないというものはやはり先生にも伝えるべきだろう。

でも、逆を言うと、そこまでの問題じゃなかったら、私は基本的にはほとんどの物事に対し、
「親が口出す問題ではない」というスタンスでいる。

双子が小学校中学年の頃。
担任の先生が、とてもネチネチ怒るタイプの先生だった。授業1時間分丸々怒って「君たちのせいで授業がつぶれた」とまた怒られたりしていた。

元々うちの双子は、自分がちゃんとしてない事を棚に上げ、文句ばかり言うタイプなので、自分たちの非は置いといて、よく家で愚痴っていた。

保護者さんの中には、我慢ならず、直接先生に物申した親御さんもいるらしい。

でも、私は思う。


「社会って、そういうもんだよなー。」


社会って、いい意味でも悪い意味でも、自分が想像出来ないような人と一緒に仕事をする場所だもん。

これから社会に出たら、ネチネチ怒るタイプの上司なんて、ごまんといる。

感情的に起こるタイプ、理不尽に怒るタイプ、陰湿なタイプ。いろんなタイプの、上司、お客様、取引先、同僚に出会うかもしれない。

でも、社会に出て、そんな人たちに出会う頃、
きっと私は子供たちのそばにはいない。

会社に電話して「うちの子、1時間も説教されたそうなんですが…」と文句をいう事はできない。

いや、出来ないこともないし、実際する親御さんもいるが、私はしない。

その時は、自分たちのチカラで、真正面から戦うなり、スルーするなり、仲間を見つけてビール飲みながら愚痴り合うなり、対処する方法を見つけていくのだ。

学校という社会は、その練習だ。

いろんな嫌な思いをしてきたらいいよね。
今なら、本当に困った時に私たちは手を差し伸べてあげられる。今が自立の練習だ。



入部から2ヶ月経ち、次女はトロンボーン片手に部活を大いに楽しんでいる。

元々根が真面目な次女。練習にも頑張って取り組んでいるのだろう。あの時、親が余計な口を出さなくて、やっぱり、正解だった。

今週末には、初めての演奏会があるらしい。
見に来てほしいと言われたので、もちろん!とチケットを買った。

長女の初めての陸上大会も、泣いていた私だ。

楽譜も読めない、生粋の不器用な次女の初トロンボーン姿に、きっと母は泣くこと間違いなしだな、と今から覚悟している。



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