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機械仕掛けの街8

 デルタは目を開ける。
 しばらくぼーっとしていたが、突然その目から油が流れる。溢れるように。
 止める間もなかった。ただ、何があったのかは知らない自分が止めるのもお門違いだとも思い、そのままにしておくことにした。
 星野瞳とアルファはそっとデルタの部屋から出る。

 突然訪問し、自身の目的のために入ったデルタの家。
 慌てていたということもあり、じっくりと見ていなかった。一旦落ち着いたため、周りを見ていくことにする。
 家と言ってもお店を開いているようで、雑貨屋なのだろうか。何に使うのかわからない、いわゆる機械の部品と雑誌やさまざまな種類の紙が陳列している。形も大きさもそれぞれ違う。星野瞳にとっては何のために必要なのかわからないが、この街で暮らしている機械人間にとっては無くてはならない存在なのだろう。

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