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溶ける熔ける融ける
あなたは周りを見渡す。
あたり一面が茶色に覆われ、所々おもちゃのようなカラフルも垣間見える。あなたの鼻は甘い香りにくすぐられ、芳醇さに酔っている。
よく見るとこの茶色は溶け始め、溶岩のように流れている。ドロドロとした泥のような流体物に嫌悪感を感じるも、足がそれに飲み込まれ、抜け出すことができない。
足を動かして抵抗するも、纏わりついて離さない。諦めかけた時、目の前にカラフルな粒が落ちてくる。瞬く間にパーティーの紙吹雪のような雰囲気に包まれるが、そんな気分にはなれない。
ふとその一粒が口の中に入る。甘くてすぐに溶けた。
あなたは甘い川に流れ、溶けていく。もうその溶岩と一心同体なあなたは、甘い夢に溺れながら、包まれていく。__溶けていく。