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カナガシラの味噌汁

北前船の寄港地として、また漁師町として栄えた金沢の港町金石(かないわ)には、先人たちから受け継がれてきた豊かな食文化がある。今回はカナガシラをテーマにその一端を紹介する

カナガシラは「カネ」の「頭(かしら)」の名の通り、金属のように固い頭を持っている。しかも、その固い頭の部分が他の魚に比べて見大きい。そのため、見た目よりも取れる身が小さくなる。そもそも金石で消費される魚は、カナガシラに限らず外に売れないようなサイズの小さいものが多いので、必然的に使い方は限られてくる。

定番は味噌汁。魚介類は澄まし汁にするのが金石の習わしで、味噌汁にするようになったのは最近のことであるが、このカナガシラやホーボーなどは昔から味噌汁にするのが好まれたようだ。
身の部分が小さい代わりに、骨の部分が大きい。そのためか丸のままで味噌汁にすればよい味が出る。その味わいは滋味あふれる上品なものである。
その味わいから出汁代わりにも使われ、単体だと淡泊になりがちなゲンゲンボウの澄まし汁にも加えられたりもする。


カナガシラ味噌汁

カナガシラの味噌汁
①下処理をしたカナガシラを骨ごとぶつ切りにする。
②鍋にお湯を沸かし沸騰したら①を入れる。
③再沸騰したら、火を弱めて3分ほど煮る。途中アクが出たら取る。
④火を止めて適量の味噌を加える。

煮つけも人気である。カナガシラだけでも良いのだが、新鮮な小魚各種(カナガシラ、カレイやタイ、ハタハタ、ゲンゲンボウ、メギスなど)を全部混ぜこぜにして醤油だけで煮つけるなんていう話も聞く。なんとも豪快な料理であるが、ここでもいい味の出るカナガシラは存在感を放つ。

少し大きめのものは刺身にする。金石の基本は「とりあえず刺身にする。」である。甘味のある白身でこちらも美味しい。
安いときはザルに4~5匹で100円200円で購入できることもある、非常にリーズナブルな魚である。是非試していただきたい。

カナガシラの刺身


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