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12月15日(日)本の巣箱/焚き火台作り

12月15日、有志のメンバー5名が集まり、今年度行う企画に関連する「本の巣箱」、そして焚き火台制作を行いました。

「本の巣箱」というのは、学生のひとりが考案した企画です。
内容としては文字通りで、鳥の巣箱を模した箱のなかに鳥の代わりに本を詰め、大学構内の各所に設置しようというものです。

アイデア出しの段階でのイメージ図

この案が考案されたきっかけは、今年10月、ゼミとして向かった「北アルプス国際芸術祭2024」にて、北アルプス林研グループさんによる「森づくりアート」を見たことがきっかけでした。
切り出された木材が柱や薪となって元の切り株のまわりに重ねられているこの作品を見て、「もし私たちがこの木材を使うとしたら、どんな風な使い方が可能だろうか?」という問いが生まれました。
この問いに発した企画として考案されたのが、「本の巣箱」です。

北アルプス林研グループ「森づくりアート」@北アルプス国際芸術祭

(ちなみにこの「本の巣箱」は、「移動式の図書館」というイメージでも考案されており、小沢剛さんの作品である「なすび画廊」からも着想を得ています。)

さて、この「本の巣箱」の企画の趣旨のひとつは、自分たちで体を動かして木を切ってみよう、というところにもありました。
というわけで今回は、専門の方の力をお借りしつつ、自分たちの体で木を切り鉄を切り、ビスを打ってきました。

巣箱づくりでは、ゼミ生が書いた大まかな設計図をもとに、アドバイスを頂きながらその場で調整しつつ木を切っていく作業となりました。

しかしながら私は木工の経験がほとんどなく、丸ノコもインパクトドライバーも生まれて初めて触れるものでした。
特に恐ろしかったのが丸ノコです。想像以上の重さと威力に驚き、最初は「何かの間違いで自分の指が飛んだらどうしよう」と冷や汗をかいていました。

映画「アウトレイジ」のように指が飛ぶイメージを振り払えないまま丸ノコを握る

しかし怯えていては作業が進まないので、とにかく心を無にして丸ノコを握り、木材をカットしていきます。ところがこれが思った以上に難しい作業でした。左手に持った三角定規を押さえ、同時に右手の丸ノコにも体重をかけて木材から浮かないように押さえ、さらに動かすスピードも調整しながら…と、これだけで既に頭も体も追いつきません。道具を使っているというより道具に使われている感覚、自分の体が自分のもので無いような感覚に陥ります。

何枚も切っていると、ふいに「掴んだ」と思える瞬間もあるのですが、それも束の間、次の瞬間にはまた元の感覚に戻ってしまいます。そんなことを繰り返しながら、測っては切り、測っては切り、と作業に没頭していると、時間はあっという間に過ぎていきました。

「三匹の子豚」の二番目の豚が作った家はこんな感じだったのかなと考えながら組み立てる

そして次に、切った木材を組み立ててビスを打つ作業に入ります。先ほどの丸ノコに比べれば簡単かと思いきや、こちらも力の入れ方や角度が難しく、ビスがスムーズに入るよう試行錯誤しながら作業を進める必要がありました。
また、この形のままだと扉が開ききらないという問題が終盤発覚し、ノコギリで屋根の端を切り落とすという少々強引な場面もありました。

徐々に完成形が見えてきたことでやる気もいっそう高まるなか、若干ハイになりながらどんどんビスを打ち込んでいきました。

気付けば日も暮れるなか、約8時間に及ぶ格闘の末に出来上がったのがこちらの「巣箱」たちです!

完成!

ところどころ不格好で、扉の開き具合にもずいぶん個体差はあります。しかしこの個体差や不格好さこそが、私たちの「初めての木工体験」をそのまま形に残しているようで、これはこれでとても魅力的なのではないか、と感じています。

中央にあるのは、これも学生が同時進行で作っていたお手製の焚き火台です。「どうしても学内で焚き火をしたい!」という熱い想いのもと制作されたこの焚き火台は、なんと一枚の鉄の板をカットして組み合わせたものです。こちらは深さも十分、そして空気を通す穴もあり、解体すれば持ち運びも簡単という優れものです。

今回作った「巣箱」たちは、私たち信州大学人文学部芸術ワークショップゼミが、千田泰広さんをお招きして行う企画「千田泰広 透明の交差」に合わせ、利用していく予定です。
こちらもぜひご覧ください!

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