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避妊具の選択

出産後の退院前、産婦人科の看護師の方から避妊についてのアドバイスを受ける機会がありました。
母体の負担を考えると、産後1年ほどは次の妊娠は控えることが推奨されているそうです。
その場でアメリカで認められている避妊具について簡単に説明を受け、後日自分でも調べて処置を受けることにしました。

女性側が行う避妊対策

Birth control pill

こちらは最近では日本でも一般的になってきたものです。
治療の一環として使われ保険適用になる場合もありますが、自主的に避妊具、生理の軽減に使用する場合は基本的には自己負担で1ヶ月3000円前後だったと記憶しています。

基本情報)
 エストロゲンと黄体ホルモン両方を含むもの、エストロゲンのみの2種類
※日本ではこの2種類のホルモンの含有量からミニピル、低用量、中用量で分類
 排卵を抑制し受精を防ぐ
 基本は21日服用、7日休みのサイクルで服用

Pros)
手軽
一回の自己負担額が少ない($0〜50/月 ※一部$50超えもあり)
生理の軽減、生理痛緩和が期待できる
生理のタイミングのコントロールができる

Cons)
毎日同じ時間に飲む必要がある
飲み続ける限り、金銭的負担が大きくなる
服用開始数日はむくみ、吐き気、胸の痛み、気分の落ち込みなどの副作用が出る場合がある
稀に血栓が生じることがある
卵巣がん、子宮がんを予防する可能性あり
太りやすくなる?(※太りやすくなるという解説もありますが、NHSによるとそのような証拠は無いともされています。)

イギリスの国民保健サービス(NHS)では、35歳以上、タバコを吸う人(辞めて1年未満の人、肥満の人には推奨しないとされています。

Birth control patch

基本情報)
ピル同様、2種類のホルモンを皮膚を通して体に入れ、排卵を抑制する
排卵抑制に加え、頸管粘液を増やすことで精子が子宮内に侵入しづらくする効果がある
3週間パッチあり(1週間毎に貼り替え)、その後1週間パッチなしの4週間サイクルで使用する
肌荒れや毛深い箇所を除けば、体の殆どの場所どこに貼っても使用できる

Pros)
一度貼ったら1週間貼りっぱなしで良い(プールなどにもそのまま入れる)
避妊効果99%
生理の軽減、生理痛緩和が期待できる
卵巣がん、子宮がん、腸がんを予防する可能性あり

Cons)
保険がカバーする割合次第で自己負担額が大きい($0〜250/月)
毎週忘れずに貼り替えないと避妊効果が落ちる
一時的に血圧上昇、頭痛などの副作用がある
稀に血栓が生じることがある

イギリスの国民保健サービス(NHS)では、35歳以上、タバコを吸う人、90kg以上ある人には推奨しないとされています。

Birth control virginal ring

基本情報)
これは日本で呼ばれている避妊リングとは異なります。
ピル同様の2種類のホルモンを放出する輪っか状のプラスチックを膣の中に入れて使用する避妊器具
排卵抑制に加え、頸管粘液を増やすことで精子が子宮内に侵入しづらくする効果がある

Pros)
1ヶ月に1回のケアで良い。
1回あたりの生理の期間を調整できる(21日使用7日未使用や、25日使用3日未使用、未使用期間なしなど)
自分で出し入れできる

Cons)
保険がカバーする割合次第で自己負担額が大きい($0〜200/月)
おりものが増えることがある
頭痛や胸の痛みなどの副作用が起こる場合がある
稀に血栓が生じることがある

イギリスの国民保健サービス(NHS)では、35歳以上、タバコを吸う人(辞めて1年未満の人、肥満の人に加え、高血圧や過去5年で乳がんを発症した人には推奨しないとされています。

Birth control shot

基本情報)
黄体ホルモンを注射する方法
12〜13週間に1回の周期で行う
排卵抑制に加え、頸管粘液を増やすことで精子が子宮内に侵入しづらくする効果がある

Pros)
3ヶ月に1回のメンテナンスでよい
一回の自己負担額が少ない($0〜150/3ヶ月 ※保険次第)
子宮がんや子宮外妊娠の予防につながる

Cons)
医師または看護師による処置が必要
保険によっては初回の検査費用が別途かかる($0〜250)
生殖機能が通常に戻るまで最後のショットから1年近くかかる場合がある(近い将来妊娠を希望している人には不向き)
稀に人によって体が慣れるまで副作用がある場合がある(普段より長い生理、不正出血など)
吐き気、頭痛、胸の痛みなどの副作用が出る可能性もあり

IUD(Intrauterine Device) 

こちらが日本で避妊リングと呼ばれているものです。
Tの字型のもので、子宮の中に挿入して使用する
Copper(銅) IUDとHormone(ホルモン) IUDとある
Copper は、言葉通り銅が使用されているもの。銅イオンは卵子や精子に毒性があり、精子の侵入を防ぐ。また、たとえ受精卵ができたとしてもその分裂を妨げる
Hormoneは、黄体ホルモンを少しずつ出すことでピル同様の効果で受精を妨げる

Pros)
効果の持続期間が長い(銅で最長12年、ホルモンで最長7年)
性交渉後120時間(5日)以内に挿入しても避妊効果が得られる
生理が軽くなる、人によっては生理が止まる
子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群の予防、治療効果が期待できる

Cons)
初期負担が大きい($0〜1300 保険次第)
最初の半年は、生理が重くなったり、激しい生理痛の副作用が見られることがある(特にCopper IUD)

Implant

基本情報)
腕の内側に入れるマッチサイズの細い棒状のチップ
チップから出る黄体ホルモンの働きによる避妊
排卵抑制に加え、頸管粘液を増やすことで精子が子宮内に侵入しづらくする効果がある

Pros)
効果の持続期間が長い(最長5年)
性交渉後120時間(5日)以内に挿入しても避妊効果が得られる
生理が短く軽くなる、1年程度使用すると3人に1人は生理が止まる
頭痛や吐き気などの副作用はあまり一般的にでない
子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群の予防、治療効果が期待できる
授乳中でも影響なく使える

Cons)
初期負担が大きい($0〜1300 保険次第)
使用開始後6ヶ月〜1年ほど不正出血が起こる場合がある
初期は生理が重くなることも稀にある

最後に

今回比較したのは、性交渉のタイミング関係なく日常的あるいは定期的に使用し妊娠を防ぐものです。また、これらには性感染症を防ぐ効果はありません。
性交渉の際に使う避妊具も含めると、男性用コンドーム、女性用コンドーム、ジェル、避妊スポンジなど他にも様々あります。

入院中には複数の避妊方法を紹介されましたが、出産後の検診で産婦人科医に改めて選択肢を聞いたときは最後の2つ(IUDとImplant)を詳しく説明されました。
そして私は以下の理由からIUDとImplantに絞って検討しました。

ピルで毎日同じ時間に忘れずに飲む自信がない
数週間や数ヶ月に1回を忘れない自信もない
保険会社、プランがいつ変わるか分からないので現在加入できている政府の保険(QUEST)の間に済ませたい(自己負担$0)


次の記事ではもう少し詳しくIUDとImplantを比較、実際に処置を受けた感想をまとめます。








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