苦手なことも、環境と、勘違いで、得意に変わるかも…
子どもの頃に
苦手だったこと…
ずっと苦手なままだとは、限りません。
苦手をカバーするために、対処する結果、良くなることもある。
または、勘違いで、
得意だと思い始めることがあるかも…
人目を気にして、声もかけられなかった
子どもの頃の私は、とにかく目立つのが嫌でした。
友達の中で、「鬼ごっこする人、この指とまれ!」
それが言えない…
卒園前の写真撮影で、髪にリボンを結んだら、目立つのではないか?
それが気になって、リボンを結ぶかどうか、数日悩んだことを、覚えています。
ホールの隅に座って、「この指とまれ!」が言える子を、羨ましく思っていました。そんな幼稚園児でした。
小中高校時代も、手を上げて答えられない生徒でした。
恥ずかしい。
何て思われるか?
間違っていたらどうしよう…
受験の時も、面接で答えられずに、顔を真っ赤にして、黙ってしまう。
そんな苦い思い出が、たくさんあります。
話しかけないと、なにも進まない…どうする?
高校卒業後、看護学校に進みました。
一番困ったのが、患者さんと、話さなければならないこと。
実習に行って、一番驚いたのは、看護師は、話をしなければならない仕事だと、気付いたことでした。
ただ、人の役に立ちたいという思いだけで選んだので、こんなに話さなければならないのか……
どうしよう…
でも、せっかく入学した学校。
奨学金を借りて高校に行くほど、お金の無い家庭でした。だから、手に職を付けて、資格をとり、働くと決めていました。
辞める選択は、その当時の私には、ありませんでした。
考えられませんでした。
自分から、患者さんに、話しかけなければ、聞きたい事も、知りたい事も、分からないまま…
「調子はどうですか?」
「どこか痛いところは、ありませんか?」
「お薬などに、アレルギーは、ありませんか?」
等々
看護師から、尋ねなければ、分からない。
知りたい事は、話しかけなければ、わからない。
看護学生は、看護師と違って、体を拭いたり、シーツ交換はできるが、点滴などの処置ができない。実習中は、一人の患者さんを担当するため、勤務している看護師のように、複数の患者さんは、受け持たない。当然、受け持ち患者さんと、話す時間が多くなる。
患者さんに必要な援助をするために、
話を聞いて、情報収集をし、看護計画を立て、ケアを実施し、評価する。
ケアをするにも、実習指導者に相談、連絡、報告…
患者さんとも、会話。
話すのが苦手なので、どれも緊張でしかありませんでした。
ある患者さんを受け持ち、思いを聞くことで、気付いたこと
外科病棟での実習で、30代後半の男性患者さんを、受け持ちました。
心臓の手術を受ける予定の方でした。
50~60歳代でかかることは多くても、30代で発症し、手術を受けるケースは少ない方でした。
仕事も休んで、入院し、手術を受ける。
術前検査や、手術に向けての呼吸の練習などは、
一緒に付き添いました。
ベッドサイドで、話も聞きました。
仕事への不安、復帰への不安。これからのこと等々、話してくれました。
受け持ちとはいえ、20歳の看護学生の私に、仕事に対して、これからに対しての不安を話してくれる。
驚きでもあり、信用して話してくれることに、嬉しさと感謝で、いっぱいになりました。
自分から話すだけでなく、聞くこと、聴くことの大切さを、実感した体験でした。
聞くことが楽しいということも、気付きました。
そして、一生懸命聞いたら、思いを話してくれる。
聞くことが、得意かもしれない!
話してくれるように、聞いてみよう!
そう思うように、なりました。
相槌の打ち方や、言葉のかけ方、目線や、相手との距離や位置。
年齢や性別、理解力などによって、いろいろ工夫をしています。
相手の方が、「話して良かった」「話を聞いてくれて、すっきりした」「笑顔で聞いてくれるから、ついつい、いっぱい話してしまった!」と、言ってくれるのが、嬉しいです。
どんな経験も、未来につながる
学生の実習時代に、辞めてしまったら、今の私は、いないでしょう。
あの時、苦手だからと、辞めなくて良かった。
続けていて良かったと、心から思います。
たくさんの患者さんとの出会い。
そのたびに聞く、たくさんの話は、私の心を、豊かにしてくれました。
有名でなくても、その人それぞれに、素敵な経験や、体験があります。
それを聞けるだけで、私には、宝物になります。
人生、何があるかわかりません。
どんな経験も、自分の一部になり、自分を作っていく。
そして、未来の自分に、つながっていく。
苦手から、得意に変わることもある。
これからも、どんなことも、楽しんでいきたいです。
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