人生を変えた、立山 ~前編~
※まずはこちらの記事をお読みください。
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鎌倉山の初登山からわずか3日後。
私は立山にいた。
あの"立山"だ。
ご存知ない方のために、wikipediaより
立山(たてやま)は日本の飛騨山脈(北アルプス)北部、立山連峰の主峰で、中部山岳国立公園を代表する山の一つである。雄山(おやま、標高3,003 m)、大汝山(おおなんじやま、標高3,015 m)、富士ノ折立(ふじのおりたて、標高2,999 m)の3つの峰の総称である。
人生2回目の登山で、3000m級の立山にいる。(ちなみに初回登った鎌倉山は標高200m弱)
なぜこんなことになったのか?
~前編~の今回は、立山へ登ることになったきっかけと1日目の道のりについて綴りたいと思います。
~立山との出会い~
ふーみんさんに出会った日(鎌倉山へ登る前日)、とある写真を見せていただいた。
iPhoneのカメラロールに映るのは、圧巻の紅葉風景の写真。
私「これ、どこですか?」
ふーみん「"タテヤマ''だよ。僕も前回行ったのが数年前で、またこの紅葉が見たいから近いうちに行く予定なんだけど、来る?」
(ちなみにこのとき私は、千葉の"タテヤマ"だと思い込んでいた。それくらい山は無知だった)
私「行きたいです!紅葉、見たい!初心者でも行けますか?」
ふーみん「なかなかの標高だけど、途中までロープウェイで行けるから初心者でも大丈夫だよ。あとは登りたい!っていう気持ちがあれば誰でも登れる」
(おいおい…この写真見る限り、傾斜も半端ないし初心者には…)
またもや半信半疑だったが、「この景色が見たい!」気持ちが強かった。
このとき鎌倉山にもまだ登っていない登山未経験の状態だったが、見たい気持ちが強かったのでこの日、立山へ行くことも決めた。
私「行きたいです!ちなみにいつですか?」
ふーみん「時期的に3,4日後かなぁ~」
~1日目・出発そして雷鳥沢キャンプ場まで~
そんなこんなで鎌倉山登山からわずか3日後。
こうして立山への旅が始まったのである。
深夜に車に乗って登山に向かう。今までの人生で経験したことのないこの感覚に、胸は高鳴る。
そして数時間の運転を経て午前9時過ぎ、長野県側の立山駅へ到着。
周りを見渡してみると、全身登山装備でパンパンに荷物が入った大きなバックパックを背負った人たち。
人生で見たことのない未知の世界に圧倒される。
(おいおい、本当に来ちゃったよ…登れるのだろうか…?)
しかしもう来てしまった。登るしかない。
1日目の目的地は雷鳥沢キャンプ場まで。
1泊2日分の荷物の入った慣れない40Lのバックパックを背負い、立山駅からロープウェイとバスを乗り継ぎ、まずは室堂まで向かう。
ロープウェイの急な勾配が、これから向かう先の標高の高さを物語る。
(この先にどんな景色が待っているんだろう…)
紅葉への期待と未知の世界への不安を胸に、先へと進む。
そして正午過ぎ、室堂へ到着。記念にパシャリ。(寝不足も相まって笑顔はどことなく引きつっている)
この時点で標高2450m。
(勘が鋭い方はここで紅葉していないことに気づいたかもしれないが、それはまた後ほど)
見渡す景色、吸う空気、すべてが初めての世界で”五感”などと言っている場合ではなかった。
そんな中、さらにここから雷鳥沢キャンプ場まで徒歩で目指す。
(どこまで歩かせるんですか…アップダウンありすぎだし、寒いし…これは修行か?!)
そんなことを思いながら歩くこと2時間、ようやく雷鳥沢キャンプ場に到着。
達成感よりも寒さと寝不足と疲れで死にそうだった。
しかしテントを張らないことにはゆっくり休むことも出来ない。初のテント設営も憂鬱だった。
(はぁ…やっぱりド初心者でここに来たのは失敗だったな)
こんなことを思いながら、ようやく出来上がったテントで出た一言。
「帰りたい…」
今思い返せば笑い話だが、本当に帰りたかった。
そう、このときの立山は紅葉には程遠く(残暑の影響)、期待していた景色を見ることが出来なかったことも追い打ちをかけていたのだ。
~私を救った、夕焼けと絶品・キーマカレー~
(なんでこんなところ来ちゃったかなぁ~思っていたのと全然違う)
こんなことを思いながら、ふとテントから出た。
すると視界には、グラデーションが美しい綺麗な夕焼け空が…!(写真では綺麗さが伝わらないのが残念)
「うわぁ~!!!ヤバっ!!!」
人生で初めて見る、山々に囲まれた場所からの綺麗な夕焼けに胸を打たれた。
そしてさらにこの夜は夕飯に”ふーみんお手製の絶品・キーマカレー”をいただいた。
ふーみんお手製のキーマカレーは”クッカー”ではなく”スキレット”を使って作るのがこだわりだそうだ。
寒い中、そんなこだわりのこもったアツアツ・ジュージューできたてのキーマカレーをいただく…
(なんて贅沢なんだ…!)
気づけば美しい夕焼けと絶品・キーマカレーをいただき、落ち込んでいた気分は少し晴れていた。
-そして翌日、私の価値観を180度ひっくり返す景色が待っているとは思いもしない中、眠りについたのだった。