身体は食べたもので出来ている。
突然ですがみなさんは「薬剤師」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?
◾︎安定していて食いっぱぐれがなさそう
◾︎医者の指示通り薬を出すだけで高給をもらえる
◾︎頭が良さそう
だいたいの方はこうしたイメージをお持ちなのかなと思います。
もともと私が薬剤師を目指したのも
「安定した収入を得られそうだから」
ただこれだけでした。
そんな私がこの"コロナ禍"に薬剤師を辞めるに至った、最初のきっかけについて今回は綴りたいと思います。
~本当の健康は薬では手に入らない~
2018年、夏。薬剤師3年目。
毎日薬局で様々な患者さんと接している中でふと気づいた。
「生活習慣病って、薬では治らないよね?身体は食べたものでできてるじゃん?」
目の前の患者さんたちは、薬を飲むことで生活習慣病が治ると思っている人たちが大半だった。
汗水垂らして働くサラリーマンから年金生活をしている高齢者。
年齢は違えど、当たり前のように毎月薬代に1万…2万…と目の前で支払っていく。
そんな毎日に
「本当にお金の使い方、それでいいの?」
「根本解決にならない薬にお金を払うなら、身体を作る元になっている食事に意識を向けお金をかけてほしい」
沸々と湧き上がる思い。
ここから、私の薬剤師としての仕事の仕方が変わった。
それまでは「数値」や「薬」に基づいたコミュニケーションだったものを「食生活」を軸にしたコミュニケーションに。
ひとりひとりの背景に向き合い、アドバイスをしていく。
すると
「体調が良くなった!」「薬が減った!」
と、嬉しそうな表情を浮かべる患者さんたち。
そんな表情を見て、私もとても嬉しくなった。
それまでただぼんやりと働いていた私が、3年目にして初めて、薬剤師の仕事にやりがいと楽しさを感じた瞬間だった。
~予防医学との出会い~
2019年、正月。
漠然と
「新年だし、なにか新しいことを学びたいな~」
と思っていた頃に出会ったのが、NPO法人 予防医学・代替医療振興協会だった。
"治療"よりも"予防"に強い関心を寄せていた私はすぐに申し込んだ。
~食の闇を知る~
予防医学・代替医療振興協会での学びは、基礎的な栄養素などの生化学から医療の現状まで多岐に渡った。
その中で私が一番衝撃を受けたのが、食を取り巻く様々な問題だった。
現代の食生活の乱れはもちろんだが、食品添加物が与える身体への影響も計り知れない。
自分がこれまで当たり前のように口にしていたものが、身体の不調に繋がっていると気づいたときの衝撃は、今でも忘れない。
生活習慣病はともかく、便秘やアレルギー、さらには不妊なども日々の食事が大いに関係している。
このままでは病気が増えるばかりで薬も減らない。
やはり毎日の「食」こそ、目を向けるべきところではないか。
予防医学との出会いこそ、私が薬剤師を辞める最初のきっかけとなった。