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見ると体調を崩す家

kさんが体験した話
kさんが野菜の選別をしていた時の出来事。
選別作業は工場ではなく、収穫した畑で行われていた。
収穫した野菜が山の様に積まれ、コンテナに大きさや、販売用、自社で使う用と選別していく。
時給制ではなく、出来高だったので、自分にノルマを課せて作業を行なっていた。
野菜がなくなると、別な畑に移動をしなくてはならない。
あと「畑だとトイレがないので、近場のコンビニを探すのが億劫だった」苦笑しながら話してくれました。
選別が終わりまた別の畑に移動。
そこの畑は広々とした場所だった。
民家が何軒あり、その他の土地は畑が広がっている。
置いてあるコンテナの持って作業に取り掛かる。
先に何人かの人が作業をしながら、談笑していた。
9月はまだまだ熱く、熱中症に気をつけながらの作業を強いられる。
ひと段落ついたので、休憩をしようと車に戻る。途中、一軒の家が目に入る。
二階建で、屋根瓦、外壁は少しくすんでいる感じのごくごく普通の家。
ボーッと家を見ていたら急に悪寒に襲われ、吐き気を催した。
「熱中症かもしれない」と急いで車に戻り、水を飲んだ。
すぐに体調は回復し、「あぁ良かった、小まめに水を飲まないと」と思い、車から出る。
畑に戻ろうとした時にまたさっきの家を見る。
さっきは感じなかったが明らかに見てはいけない気がした。
瞬間また悪寒と吐き気に襲われる。「また」と内心思い踵を返すが車に戻る途中、体調が戻る。
「えっ、もしかして」と思い今度は家を見ようにして畑に戻る。
畑についても体調はなんともなかった。
他に作業をしてた人に何となくあの家の事を聞いてみる。
なるべく見ないように「あそこの家、なんか不気味じゃない?」
「えー、普通の家じゃない、なんで?」
「いや、なんとなく思って」
「そういえば、前にkさんも言ってなかったかな」
「なんて言ってたんですか?」
「なんかね、あの家を見ると気分が悪くなるって」
「あぁーそうなんですね」
「まぁ、あんまり気にしない方がいいよ、それより熱中症の方が怖いよ」
「そうですよね」と苦笑いをしながら返答をした。
その日の作業が終わり、車に戻る。絶対に家を見ない様にその畑から出た。
次の日もその畑の作業だったが体調を崩したと嘘をついて休んだ。
「あの場所には二度と行きたくない」と話をしてくれました。


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