夢小説のなか、不幸な私の最愛のひと
夢小説(いろんな定義があるが、この場合、自分と推しが主人公の恋愛小説のこと。二次創作)なんて、甘くてナンボ。
自分に都合のいい展開で、特別な理由もないのに溺愛される。脳汁が噴出して湖になるような快感を得るために書かれることが多いです。
だって、酔うために書いているんです。彼と私が幸せになるために書くんです。杜氏さんだってたぶん、美味しくて気持ちよく酔えるお酒を造りたいでしょう?
でも、夢小説を書き始めて一年くらい、私は度々推しを苦しめて不幸にしていました。かわいそう。
わざとじゃないんです。私だって、甘々のハピエンにしたい。
山下公園を手を繋いで歩きたいんです。クリームソーダのアイスとか食べさせあって、目と目が合ったら「かわいい」とか言われたいわけ。
彼との夢小説はたくさん書きました。
恋に落ちた年は、毎日書いていました。まだまだキャラに対する解像度は低かったのですが、いろんなシチュエーションで書いていました。
五月に恋に落ちたというのに、春の軽躁の反動か七月には鬱が酷くなってしまって、精神的に瀕死でした。
でも、夢小説は書いていたんですよ。死に物狂いです。一日中机の前にずっといる。寝る時も椅子の上。
それがいけなかった。
シリーズ化していた夢小説の中で、新婚生活を送っていた私たち。
とっても甘くて幸せな毎日。
……が、幸せが書けなくなりました。頭の中は希死念慮で満ちている。でも書きたい。書いている間は彼と一緒にいられるから(と、当時は思っていました)。
そこで生み出されたのが、私が死んだり、自殺しようとして彼に発見されるストーリーです。愛する新妻が死んだり死にかけたりする彼が、本当に不幸でかわいそう。
でも、自然に湧き出てくる心を書くしかない。それが救いでもある。
そんな物語を量産していたら責められたんですよ、当時の友達に。「推しがかわいそう」って。自分でもわかっていたけれど、その言葉に酷いショックを受けて、精神的にぐっちゃぐちゃになりました。まぁ、鬱ですしね~。
私はこのまま彼を推していたらダメなのでは? 不幸にしてしまうのでは? もう推すのやめたほうがいいんじゃない。今なら所持グッズも少ないし、まだ引き返せるかも。
でもできるわけがないんですよ。ただ推しているだけではないのだから。私は夢女子なんです。生涯このひとだと思って生きているの。当時はそこまでではなかったけど、それでも予感はしていたのです。
……というわけで、この先は当時書いた夢小説となります。
夢ブログの記事とか大量にあるのだけど、面白そうなものはサルベージしてnoteに持ってくるのもいいかもしれませんね。
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