変われるって思ってるからこその、苦言
コスメブランドのマジョリカマジョルカから、期間限定で新しい香水が発売された。ピーチパイの香りらしい。
この世に存在する匂いの中で、僕が唯一明確に好きだと思うのが桃の匂いだ。これがけっこう本当に好きで、所持しているフレグランス類は大体が桃の匂いな気がする。
そんな僕なので、この商品の情報を見たときはもちろんめちゃくちゃ欲しい!と思った。パッケージもかわいくて気分が上がる。
しかし。キャッチコピーを見てください。
お分かりいただけただろうか。
「とろ〜り一滴で"女の子"の血が騒ぎだす」
…………終了!!!!!!!
なぜなら僕はノンバイナリーだから!!!!
お呼びでない!?お呼びでない!?!?こりゃまた失礼いたしました!!!
こういうことはよくある。かなりある。
なぜなら僕はかわいいものが好きなノンバイナリー。
「世の中はマイノリティーに配慮されて、みんなが生きやすい世の中になったなあ〜!」と思っている人もいるかもしれないが、正直あんまりそうなっていないのが現実!!!
かわいいものはまだまだあからさまに「女性向け」として売られていることも多いのだ!!!
特定の性別の人をターゲットにして売るより、誰でもターゲットにした方が企業の売り上げ的にも良くないか!?と思わないこともないのだが、メロスにはマーケティングが分からぬ。というわけで偉そうなことは言えないのである。
ちなみに同じコスメブランドという括りでも、CANMAKEはかつて「女の子って本当に楽しい!」というキャッチコピーを「かわいい!に出会える」へ変更するという偉業を成している。CANMAKEって本当にありがたい!
ほかNARSやDiorなどでも、近年は男性モデルが起用されるケースが増えてきた。
人によっては、これだけでも十分「マイノリティーに配慮された社会になった」と感じる人もいるだろう。僕がこうやってぶつくさ言っているそばから「もうええでしょう!」と言いたくなる人もいると思う。
でも正直そんなことをマジで言ってくる人がいたら僕は、最もフィジカルで、最もプリミティブで、最もフェティッシュなやり方でいかせていただく恐れがある。
なんかこのへんの話になってくると、最近SNSでたびたび目にする「マイノリティーの行きすぎた権利拡大」みたいな文言が思い起こされる。なんだよ行きすぎって、行きすぎどころか足りてないレベルだぞ。こんなキャッチコピーが大手のコスメブランドからまだ平気で出てくる世の中で、何が行きすぎなのか。
むしろ今までの世の中が「マジョリティーの行きすぎた権利拡大」によってできていたというのに。
半ばおふざけでここまで書き進めてきたが、腹が立っているというポイントについてはマジだ。ふざけないでほしい。僕らはいつまで口を塞がれていればいいんでしょうか?このキャッチコピーをどうにかしてほしい『だけ』で、僕らの存在を透明化しないでほしいという『だけ』で、こんなに大騒ぎするのはワガママでしょうか?
そんなわけないですよね!!!!!!!!
マジョマジョさん!!!!!!!!
ノンバイナリーでも、男性でも、そうでない人でもメイクする人はするし、桃のいい匂いを纏いたいと思っている人もいます!!!!!!