はじめまして、奏(かなで)と申します。 ファンタジーメインの小説を書いております。 ゲーム関連お仕事なども! お仕事募集中です。

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  • 忌憚幻想譚

    ホラー短編集です。

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奏のポートフォリオ【自己紹介】

🗡プロフィール はじめまして、奏(かなで)と申します。 第二回モーニングスター大賞にて「逆鱗のハルト」がファンタジー賞を受賞し、作家デビューしました。 ファンタジー(ハイファンタジー)のほか、恋愛、ホラーなども執筆しております。 WEB投稿サイトにて随時更新中です。 また、ゲームが好きでRPG、FPS、TPS、ACTなどジャンルを問わず遊んでおり、TRPG(D&D、クトゥルフ、マーダーミステリーなどなど)も嗜んでいます。 そのほか、西洋甲冑を着て戦う「アーマードバトル

    • 【忌憚幻想譚12話】ゆめゆめ【ホラー短編集】

       私がこれから語るのはよくある夢のお話でね。  私は夢を観賞するのが好きだから、誰かの夢を徘徊するのが趣味なのだ。  夢とはヒトの潜在意識。  夢とはヒトの願いや絶望。  ほら、今日の夢主はなにかに追いかけられているようだ。  黒い影――とでも例えようか。  さて、あれはなんだろうね。  ヒトの悪意か、それとも抱えきれないストレスか。心が疲れてすり減った状態なのかもしれない。  あはぁ、君にも心当たりがあるのかな?  ならばさぞや美味な夢を見るのだろうね。

      • 【忌憚幻想譚11話】怪盗#【ホラー短編集

         ――ねぇ怪盗#って知ってる?  ――知ってる! SNSで願い事を書いて#怪盗って付けると叶えてくれるっていう都市伝説でしょう?  ――そう。友達の友達が、それで意中の人の心、盗んでもらったんだってー!  ――えーっ、本当に~?  キラキラした女の子たちがきゃっきゃと会話をしている。  あんな話題で盛り上がったのは、いつが最後だろ。  ……遠い昔みたいに感じてしまう。  濃紺のリクルートスーツに身を包んだ私は、面接会場への地図を携帯に表示しながら、都会の喧騒に流

        • 【忌憚幻想譚10話】桜の木の下で【ホラー短編集】

           おじいさんは、桜が好き。だから私も、桜が好きなの。  桜が咲く季節には、おじいさんと一緒に丘へ登るのよ。  丘の天辺にはとても大きな桜の木があってね。その根元で腰を降ろして、ひらりひらりと舞う花びらを眺めるの。  初めて連れていってくれたとき、私は花びらを追い掛けて駆け回ったわね。  ああ……とても素敵だった。  それから何年も何年も一緒に花びらを眺めたけれど、そうね。  いつの間にか私たちふたりとも、とても歳をとったわね。    ああ、ほら、おじいさん。気を付け

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        • 忌憚幻想譚
          13本

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          【忌憚幻想譚9話】ありがとう【ホラー短編集】

          「ねえリコちゃん、ありがとう」  幼なじみのカコちゃんは、いつも私にお礼を言う。  小さい頃から、もうずーっと。  最初がいつだったかなんて思い出せないくらい、小さな頃から。  だから聞いたことがある。 「どうしてお礼を言うの? 私、カコちゃんになにもしてないのに」  そうしたら、カコちゃんは少し困った顔で微笑んだ。 「だって、リコちゃんは私を助けてくれるから」  正直、助けた覚えなんてないんだけどな。  相談を受けたり、転んじゃったカコちゃんに手を貸したり

          【忌憚幻想譚9話】ありがとう【ホラー短編集】

          【忌憚幻想譚8話】あいにいく【ホラー短編集】

           僕がまだ小さい頃のお話なんだけど。 『誰か』が家に来たときのお話。  僕はすごく恐くって部屋に隠れたんだけど――あっ、あのね、僕の家は庭に大きな木があるんだ。  僕が気がついたら『誰か』はその木の下に、ざくざくと穴を掘っていた。  真っ黒い大きなスコップで、ざくざくと。  暑い暑い夏の日。  ジーッと蝉が鳴いていて、でも、『誰か』は汗ひとつかいていなかった。  それにね、僕の体もなんだか冬みたいに冷たくなるんだ。  不思議なんだよ。眠くてたまらなかった。

          【忌憚幻想譚8話】あいにいく【ホラー短編集】

          【忌憚幻想譚7話】Aの写真【ホラー短編集】

           夏だから、ほんの少しだけ怖い話を。  私がまだ中学三年生のときの話。  社会科見学でとある城下町跡へと行ったときのこと。  社会科見学では学校が雇ったのであろうカメラマンさんが要所要所で写真を撮ってくれて、あとでそれが廊下に張り出され、自分たちで選んで購入するシステムだった。  歴史の博物館や古い施設、駄菓子屋さんが並ぶ個性的な路地を歩き、楽しい一日だったのを覚えている。  だけど写真が貼り出されると、すぐに噂が駆け巡った。 『Aちゃんの写真だけ心霊写真になって

          【忌憚幻想譚7話】Aの写真【ホラー短編集】

          【忌憚幻想譚6話】音の正体【ホラー短編集】

           とん、ととん、ととと……  とん、ととん、ととと……  上の階の住人は、いつもなにかを床に落として遊んでいる。  ビー玉かなと僕は睨んでいるが、とにかくちょっと弾んではまた落ちて転がり、やがて止まる。  それの繰り返しが昼夜問わず始まるので、僕はそれなりに疲弊していた。  ほんと、やめてくれないかな。  受験を控えているというのに眠れやしない。  小さな部屋に布団を敷いて横になっているとその音は耳の奥によく届く。  天井から壁を伝い床にまで響くからだ。  

          【忌憚幻想譚6話】音の正体【ホラー短編集】

          【忌憚幻想譚5話】まつらるるは【ホラー短編集】

           さて、自分がいつからここにいるのか。  それすらわからなかった。  そう。なんだかよくわからないが、どうやら自分は動けないようだ。  ――視界は良好。  動けないままで見えるのは曇り空と葉っぱの落ちた木々たちと乾いた石畳の道。  いったいここはなんなのだ。  気温は感じない。  寒くもなければ暑くもない。  視界が高いことから、おそらく何かの台に乗せられているのではないかと思う。  音は風がさわさわ通り抜ける音だけ。  特にこれといった音はない。  ―

          【忌憚幻想譚5話】まつらるるは【ホラー短編集】

          【忌憚幻想譚4話】ただそれだけのこと【ホラー短編集】

           つぶれたトマトがそこにあるみたいに、なにかが横たわっていた。  目を瞠るとそれが、もともとは自分と同じ姿だったんだとわかった。  とびちった赤い果汁。  実をぶちまけて。  ぼんやり眺めていても不思議と恐怖はわかない。  あるのは、静か過ぎるほどの空間と、凍り付きそうなほど冷静な感情。  やがて眺めていた僕の後ろで、耳をつんざくような高い悲鳴があがった。  それこそ、耳障りなほどの悲鳴だった。  パトカーと救急車がうわんうわんと集まってくるころには、あっとい

          【忌憚幻想譚4話】ただそれだけのこと【ホラー短編集】

          忌憚幻想譚【ホラー短編集】

          あらすじ 世のなかには、忌み嫌われ、恐れられ、避けられている物語がある。  それは「人」によるものか、はたまた「なにか」によるものか。たとえ幻想のようであったとしても、ときに抗えないほどに魅力的で、ときに触れずにはいられない。  貴方の五感が、あるいは六感が触れたそのときなにが起ころうとも、貴方はきっとまた触れる。  これは忌憚。これは幻想譚。そんな短編を集めたホラー短編集です。 第1話 もういいかい第2話 手と手と第3話 貴女が見た世界第4話 ただそれだけのこと第5話 

          忌憚幻想譚【ホラー短編集】

          【忌憚幻想譚3話】貴女が見た世界【短編ホラー集】

           ――貴女が見た世界が本物であるとしたら、世界はただ誰かの手の内で転がっているだけなのだ。  最近よく変な世界を見るという、へんてこな事を言い出したのは美空だった。  美空はごくごく普通の女の子で、取り得といったら運動神経がいいくらい。  勉強に関しても中の中で、本当に普通の女の子なのだ。  肩より少し長い髪はいつも高く結ってあって、それが運動神経の良さを表しているとあたしは思う。  あたしはと言ったら、ごくごく普通というよりむしろ落ちこぼれだ。  勉強もできなけ

          【忌憚幻想譚3話】貴女が見た世界【短編ホラー集】

          【忌憚幻想譚2話】手と手と【ホラー短編集】

           僕が彼女を狙って、必死に努力して一カ月。  うだるような蒸し暑さの夏休み、僕は意を決して彼女を花火大会に誘った。  だというのに。  手を繋ぐなんて、そんな勇気はなくて。  僕は今日も彼女の隣、うまく言葉が紡げずにいる。  でも、今日こそは。  ――きっと、触れられる。  せめて、せめて手を繋ぐくらいは。  ――だって、夏はそういう季節だから。  人混みの中、熱気に汗ばむ手を懸命にティーシャツの裾で拭う。  ――いまなら。  僕は、そっと触れたひんやり

          【忌憚幻想譚2話】手と手と【ホラー短編集】

          【忌憚幻想譚1話】もういいかい【ホラー短編集】

          「そうねぇ、あの日は皆でかくれんぼをして……ふふっ」  ハルさんがぽつんとこぼして笑う。  あまりに唐突なその言葉に、そこにいた誰もが視線を向ける。  車椅子に腰掛けたまま、ハルさんは可笑しそうに続けた。 「ユイちゃんは林に、カナちゃんは池のそば、ユキくんは廃墟に隠れたの」  窓の外は雪景色で、縁の凍ったガラスの向こうは白く煙って見えない。  しんしんと……というのが相応しい静寂は、施設のストーブに載せられたヤカンのしゅうしゅうという音でかろうじて誤魔化されていた

          【忌憚幻想譚1話】もういいかい【ホラー短編集】

          尾錠の留め方

          皆さまこんばんは! 奏です。 早速ですが、スーツのチョッキの背面のソレ。 尾錠(びじょう)というらしいです。 これが画像のようにトゥルントゥルンと抜けてしまうという話になり、解決策を考えることに。 すでになんか巻いてあるのは巻く前に撮り忘れたからです笑 このスーツはセミオーダーとのことで、 背面生地も自分で選んだそう。 これがとぅるとぅるすぎて滑ってしまうのでは……? まずメーカーさんに持ち込んでみたのですが、 「あらまあ本当に抜けちゃいますね!」 ということで、

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          チョコレート食べ比べ

          皆さまこんにちは。 奏です。 ちょっとやってみたかったチョコレート食べ比べをしてみようと思います。 比較チョコはコチラ↓↓ ●ロッテ ガーナミルクチョコレート50g ●明治 ミルクチョコレート50g ●森永 ダース47g(12粒) どれも値段は118円。 知ってるか……100円切ってた時代もあったんだぞ! さて。 先に書いてしまうと、私はガーナミルクチョコレートが大好物である。 口溶け、ミルク感、チョコレート感、どれをとっても好みなのだが、きっと好みによるはず

          チョコレート食べ比べ