![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111964123/rectangle_large_type_2_a59da882e058af7cd726cbe9e6358b87.png?width=1200)
ヘソ出し女心
朝の情報番組で、若い女の子たちの間で最近「ヘソ出しファッション」が流行中だと特集していた。「アムラー」以来のリバイバルブームとの事だが、令和では「ヘソそのもの」は出さず、ハイウェスト部分…多分胃の辺り(言い方よ)だけを露出するのがオシャレとのこと。スカートの丈しかり、靴下の丈しかり、ほんの数センチの違いで「今どき」にも「ダサく」もなるのだから、オシャレは難しい。
若い女の子の薄くて綺麗なお腹を見られたら、大抵の人はそりゃラッキーな気分になるよなぁ、と思いつつ、
一緒に見ていた夫に
「そういえば、こないだの保育参観でこんなカッコのお母さんいたし、○○ちゃん(わたしの同年代友人)も着てたよ」と言うと
「えっ!…まぁ、幼稚園児の子どもがいるくらいのお母さんなら、着るのかもなぁ」と驚いた様子。
「んー、本人が着たけりゃ年齢は関係ないんじゃない」
見苦しくなければ…と心の中で付け足しながら答える。わたしが見たヘソ出し母たちは、みんな素敵なお腹で、わたしは両手を合わせて拝みたい気持ちであった。
そういえば、学生時代、バイト先の先輩が言っていた。
カレシに禁止されとるけん、短いスカートは履かん。あと、すっぴんで出歩くのもダメ。俺以外にすっぴん見せんな、裸で出歩くのと同じだ、だって。だけんコンビニ行くのも化粧する〜。
ハタチそこそこの頃の話である。わたしはえらく驚いた。そんな束縛、わたしには耐えられん!先輩がどことなく嬉しげだったのも印象的だった。
当時の先輩がヘソ出しなんてしようもんなら、どうなっていた事か。そんな記憶も夫に話し、聞いてみた。
「わたしがヘソ出しで出かけてたらどうする?」
「…いいんじゃない?」
何だよ。それはやめてよ、と言って欲しかったよわたしは。彼は、妻が人前で腹を晒しても構わないのか、いやそれとも、コイツがそんなカッコするはずがない、とたかを括って相手にしていないのか。適当な返事してんのか。いずれにしても面白くない。
期待する答えを持っているくせに、相手を試すかのようにあえて質問する女心。難儀なものである。
そしてこれがまた、「みっともないからやめときなよ」という意味合いのものであればまた問題は大きく変わってくるので、女心とはつくづく、難儀なものである。