【中国語テキスト】『長文読解の‘’秘訣‘’(新装改訂版)マオ老師の中国語エッセイで楽しく学ぼう』毛丹青・佐藤晴彦著
こんにちは、かなの中文散策です。
今日は、私の大好きな中国語テキストを紹介しようと思います。
この教材は中国語から離れていた時も、時々取り出して音読するほど気に入っていました。
『長文読解の‘’秘訣‘’(新装改訂版)マオ老師の中国語エッセイで楽しく学ぼう』
毛丹青・佐藤晴彦著 東方書店
私はこれの旧版(『珠玉の中国語エッセイで学ぶ長文読解の‘’秘訣‘’』)を持っていますが、内容は大体同じものとなっています。
中国人作家・毛丹青さんが書いた12の中国語エッセイに、それぞれ文法や語句の解説がされているテキストです。毛丹青さんは神戸国際大学の教授であり、日本でも作家として活動されていますが、彼の文章はとても読みやすく、エッセイから優しい人柄が伝わってきます。
私はその中でも『阿熊的故事』(クマちゃんのお話)が一番好きでした。
毛丹青さんの家に来ていた黒猫・クマちゃんという野良猫のお話です。
『阿熊的故事』の一部を紹介します。
阿熊是一只野猫,名字是我起的,但没有什么深刻的含意。它经常在我家周围溜达,按理说,猫遇到雨天,一般都往屋檐儿下躲,或者往汽车底盘下钻,可这只猫与众不同。每次下雨的时候,它居然昂首挺胸,两条后腿像一块盘石一样,坐在我的汽车顶蓬上,而且,猫脸老是往后仰。如果用人的感受来说,我觉得这无疑是一种悠闲。(旧版P76)
<日本語訳>
クマちゃんとは1匹の野良猫である。名前はわたしがつけたのだが、これといって深い意味はない。猫はいつもわが家の周りをうろついているが、常識的に言うと、雨が降れば猫というものは、ふつう軒下に隠れるかあるいは車のシャーシの下にもぐりこむものだが、この猫は普通の猫とは違っていた。雨が降るたびに、クマちゃんはこともあろうに頭をあげ胸を張り、2本の後ろ脚をまるで盤石のようにし、わたしの車の屋根に座り、そしてどんな時でも頭は上を向いている。人間の感覚からすれば、これは疑いもなくゆったりとくつろいでいる姿だと私には思える。(旧版P196)
クマちゃんは雨の日でもゆったりとしていました。毛丹青さんがご飯をあげても目もくれず、あとできれいに平らげていたそうです。その後、クマちゃんは、ご飯のお礼なのか虫や葉っぱを、毛丹青さんの玄関先に置いてくれるようになります。ある時はヘビの贈り物があったのですが、翌日そのヘビが息を吹き返してしまった……という内容でした。
猫好きの私としては、とても微笑ましいお話でした。この後、クマちゃんは毛丹青さんの飼い猫になったそうで、良かったです♪
その他にも、毛丹青さんがお祖母さんとの思い出を描いた『我的祖母』、大学の実習期間での小学生とのやり取りを綴った『月牙儿』など、心温まるエッセイが沢山あります。
テキストの内容は中級以上ですが、詳しい文法や語句の説明があり、ピンインと日本語訳も記載されているため、精読に向いています。
私は主に音読用教材として使用していました。繰り返し音読することで、中国語の文章がインプットできるので、とても効果的だと思います。
本当におすすめなので、機会があれば、ぜひ一度手に取ってみて下さい!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。