闘痔日記1【尻とわたし】
ここだけの話、切れ痔とイボ痔のハイブリッドです。ここだけの話ですよ。
かれこれ痔とのお付き合いは10年とかになるんですが、昨年にですね、これはヤバいのでは!? と焦るレベルでの出血がありました。
それで、いよいよ病院に行くべきか……と決心をしまして、大腸カメラを経て、現在絶賛闘痔中です。病院に通うと楽になります……本当に楽になります……。
とはいえ、前述のとおり病院にかかるまでかなりの年月先延ばししていたのもまた事実。先生には、大腸がんだったらどうするの、というお叱りを受け、そうだよなあ……行くべきだよなあ……と心を入れ替えた所存でございます。
でもさ、でもでも、痔(自己診断)で病院にかかるのはなかなかハードルが高いと思うんです。このわたしですらそうなのだから、世の中にはもっと強い躊躇いを覚えている人が少なからずいるのでは!? と気付いたわけです。
わたしは過去に、メンタルの病院にかかる手順や、飛行機に乗る手順、職業訓練の体験記、資格の試験会場での過ごし方、などという個人ブログさんの記事や日記にいろいろと助けられて、今こうして生きています。
きっと、わたしみたいな人の役に立とうなんて思わずに、ただの日記として公開してくださったのでしょう。それをわたしが勝手に参考にしただけなんです。
でもそういう関係性って、とってもいいなぁ、と思うんです。ゲームの中のヒントみたいな、誰にもどこにも責任はなく、勝手に見て勝手に利用して、よし! ってなるあの感じ。
庭にあった石が漬物石にぴったりだった、みたいな出来事に、ちょっとロマンを感じます。
で、わたしは常日頃から「肛門がめちゃくちゃ痛い」や「うんこがめちゃくちゃでかい」といったことを口にすることに抵抗がなく、カレーを食べながらうんこの話も楽しくできちゃうタイプの人間なので、その長所を生かせばいいのでは? 痔での通院で思ったこと、感じたこと、そしてその結果を包み隠さず楽しく書けば、昔の自分の助けになるのでは!? となったわけです。
そうなんです、昔の自分のためなんです。
ずーーーーーーっと長いあいだ、お尻からの出血に悩んでいたんです。そんな過去のわたしや、似た不安や羞恥で病院にかかることに二の足を踏んでいる誰かの背中を、なんとなーく押せたらいいな、という軽い気持ちで、今回の日記をつらつら書いていきたいなと考えています。
もちろんすべてわたし個人が経験したことなので、どんなパターンにも当てはまるわけではないし、責任もとれないので、体験談やレポートや啓発などといったものではなく、ただの日記として書きます。
こんなことがあったよ。へー。それだけです。
痔で病院にかかるなら、尻毛の処理はしたほうがいいの? といったことに、わたしなりの行動や結論を書いて、面白い体験したなーあははーとするだけの日記です。
とにかく、お尻の不調で病院にかかるハードルを下げたいんです。そうすればわたしも大手を振ってお尻の通院に励めるので!
主治医の先生が、我慢できなくなってようやく通院したら、痔ではなくもっと深刻な病気で手遅れだった人が何人もいた、と話してくれたことも大きいのかも。
若い女性が特に来たがらない、というのも聞いたかなあ。なので、若い女性も病院選べば多少は行きやすくなるかもよーという、こう、なんか、ほら、尻の痛みなんかとはさっさとオサラバして、うんこが硬くなりそうだけどめっちゃ美味しいもの食べようよ……健康大事だよ……という願いも込めて、痔と戦っている日々の出来事を日記という形で残しておこうと思います。
治療法とか、そういうことはほとんど書きません。こんな気持ちで尻の痛みおよび出血と戦っているよ、という、いわば戦記です。大長編になります。大腸だけに。嘘です。
さてそんなわけで、長々と前書きをしましたが、ここからもさらに長いです。長すぎるので何回かに分けますね……。なにを書いてもついつい長くなっちゃう……悪い癖……。
【尻とわたし】
さてさて本題です。
そもそも尻に起きた異変のお話からしたいと思います。
遡ること約10年。
そう、わたしは約10年ものあいだ、尻の痛みや出血と戦っていたのです。
もちろんずっと継続して症状があったわけではなく、良くなったり悪くなったりの繰り返し。これも痔にはよくあること。
最初は驚くんですけど、二度三度と繰り返すうちに、「あー、またか」と慣れてきちゃうんですよね。そのころは市販薬で誤魔化し誤魔化ししていました。
とはいえ市販薬にも、この期間で治らなければ病院にかかるんだよ! と書いてあるので、そのへんは見えないふり。悪い子です。
使っていたのは有名どころの、ボラギノールやプリザエース。どちらのサイトにも、色々と痔やお尻の病気にまつわる情報がわかりやすく書いてあるので、とても参考になります。きっと痔に悩んでいる人はみんな読んでると思う。わたしも何度も読んだ。バイブルみたいなもんだ。
最初は切れ痔だったと思います。引きこもり故の運動不足が災いして便秘がちだったこともあり、踏ん張る→ピチッ→ぎゃああああ痛いいいいいい、という流れです。
傷が治るまで排便を我慢するわけにもいかないので、治り切る前にまた切れる→治ってないのにうんこが通って尻をズタズタにしていく→治ってないのに(以下エンドレス)という魔のループに陥るわけです。経験者の方にならわかってもらえるはず……!
そんなある日です。去年くらいですね。今日も血を見てから一日が始まるのか……とげんなりしながらトイレに入り、踏ん張る踏ん張る。おっ、今日は痛くないぞ! やったねいい日になるよ! と意気揚々と尻を拭いたらですよ、血ですよ。べったぁと。歴代一位の出血量です。
このころにはボラギノールさんのサイトなんかを読み込んでいたので、痛みがない……しかし出血がある……これは……イボ痔の可能性が濃厚! と推理するわけです。もちろん他の病気の可能性だって存分に在りますが、人は自分に都合のいい解釈を信じたくなる生き物なのです。
さすがに焦りを覚える出血量だったため、ドラッグストアでお薬を購入。中からの出血ならば座薬か注入軟膏……しかし注入軟膏はメチャクチャ高価……だが座薬は挿入時に痛みがある場合がある……つらい……尻がつらい……。
とはいえダラダラ悩んでいると、店員さんに声をかけられてしまうので(痔の薬を持ってるんだから、どんな症状ですか? とか訊かないでほしい!! 察して!!! 察して!!!!)、お安い座薬を。
ところで座薬、10個入りと30個入りでほんの数百円しか値段が変わらないので、ついつい30個入りの方買っちゃいません? いっつも30個入り買っちゃう。
座薬で騙し騙し、尻を労わる生活が続きます。30個使い切ってもまったくよくなりません。
わたしは手帳で日記や体調管理をメモする習慣があるので、毎日出血の有無や量を書きとめているんですが、まる二ヶ月くらい毎日出血がありました。
ここまでくると、行動の選択肢として病院というものが出てきますし、家族からも病院に行けという説得をされるようになります。「電話かけてあげるから!」とかね。大人なのにね。自分で電話できないんです。怖くないですか電話。
そんなわけで、病院を探すことになりました。
続。