Kana

世界の先住民に惚れ込んだ女子大生。大学に通うはずが山奥で弟子入り修行中。言葉と人が好きです。誰かに美しいを届けるガラスの目になりたい。 🇨🇦カナダ・渓谷・リリワット族 🇵🇪ペルー・アマゾン・クカマ族

Kana

世界の先住民に惚れ込んだ女子大生。大学に通うはずが山奥で弟子入り修行中。言葉と人が好きです。誰かに美しいを届けるガラスの目になりたい。 🇨🇦カナダ・渓谷・リリワット族 🇵🇪ペルー・アマゾン・クカマ族

最近の記事

女子大生、アマゾンへ行く③

「かなちゃん?」と私を呼んだゆいのは、目をキラキラさせて、やわらかい笑顔で立っていた。想像していたより少し背の低い彼女は、「南米の旅人」というよりは「普通の女の子」の雰囲気をまとっている。トレードマークのギターケースを背負っていた。 画面の中だけで見ていた人が、目の前にいる。なんて不思議なんだろう。そんなことを思う間もなく、30時間のフライトと言語の壁で心細さの限界だったわたしは大喜びでハグをした。(後々、「私の初印象どうだった?」と聞くと「あまりにも一瞬でなじんだ」と言わ

    • 女子大生、アマゾンへ行く②

      飛行機から意気揚々と下りると、アマゾンの熱気が私をぶわっと包んだ。ついに来た。来てしまった。そんな風に感動したのも束の間、私は空港ロビーで立ち往生していた。 空港から出るのが怖い。何しろ、出入り口の向こうには大量のおじさんが待機していて、空港から出る人々に声をかけまくっているのだ。なんだあれは。ゆいのが迎えに来てくれるはずとたかをくくっていたが、交通の関係で遅れると連絡が来ていた。30分もすればもう空港ロビーに残っているのは私だけになった。 私はじっと外を見る。不思議そう

      • 女子大生、アマゾンに行く①

        何でアマゾンなのか。 どちらかというと、アマゾンの方から私に飛び込んできたのだ。 2022年9月、大学3年生を留学先を迎えた私は何かに焦っていた。21にもなれば、現実が見えてくる。「こども」の私を守っていた壁は消え、本物の社会が見えてくる。世の中そんなに甘いもんじゃない。分かってる、分かってた。それでも。なんだってなれる、なんだってできると輝いていた世界はどこに行ったんだろう。 そんな中、インスタグラムにたまたまゆいのを見つけた。ほう、南米を一人旅する日本人の女の子がいる

        • 風の愛し子

          彼らは涼しく揺れる空気の中で生きている。 ゆるやかに穏やかな横顔を私たちに見せて 遠くを見るその視線は私をはるか超えてその先を見ている。 風に愛され、揺蕩うように生きて ざあっと攫うようなそれが吹けば もう跡形もなく消えてしまいそうで 透き通るたましいと 一抹の危うさ そんな軽やかで穏やかで 恐ろしいほどに美しい そんな風のような人が好きです。 ―――私の頬を掠めた、すべての風の愛し子たちへ 私が好きになる人は、みんな風の子供の顔をしていると思う。自由で無邪気で