冬の気配がすると、編み物をするおばあちゃんの姿を見るのが日常だった。 小さくなったセーターをほどいて、毛糸の帽子。 手袋をほどいて、靴下。 何度も何度も姿を変えてきた毛糸。 ほぐしては使ってを繰り返すし、色はおばあちゃんのオリジナルの組み合わせ。 不思議とどんな色が組み合わさっても、違和感がなかった。 「今年はこれを編んだからね。」 そうクシャっと笑って、その年の作品を私にくれる。 いつからか毎年靴下をくれるようになった。 おばあちゃんが私の為に作ってくれたのが嬉しく