かなののことば、KananoWords
こんにちは。ハンドメイド作家の、音海奏乃です。
まずは、シリーズ化を予定している、かなのわーずについて、ご説明を。
私は、カナ・ノワール堂という店名・活動名で、イヤリングやピアス、ネックレスなどのハンドメイドアクセサリーを販売しています。活動をする中で、そして生きていく中で、いろいろなことをつい深く考えてしまうことって、ありますよね。
そんな作家としての、おとみかなのが大切にしていることや、考えていること、感じていることなどを、そっと置いていきますね。「その気持ち、感じたことがある」「こういう考え方もあるんだな」など、誰かの気持ちを軽くしたり、変わるきっかけになれるように。
かなのわーずって?
ハンドメイド作家として、活動してきた経験を、気持ちの面から書いていくシリーズです。いろいろな考え・意見があるのは百も承知ですが、その中の"選択肢"として、ほかの作家さんや悩んでいる人たちのヒントになれたらな、いう考えから生まれました。
ちなみに、かなのわーず、響きが何かに似ていると思いませんか?
そう、フランボワーズに似ているのです。
ちょっと話はそれますが、私はフランボワーズ(ラズベリー)が大好きなんです。特に、マカロン。初めて食べたのは、コンビニのものでした。
さて、そろそろ本題に入りましょう。今回は、否定についてお話しますね。
否定って、何のため?
「あなたが結婚相手に求める条件って何ですか?」
そう質問されたら、なんて答えましょう。お金、見た目、学歴……判断基準は人それぞれですが、私の場合はただ一つ「相手を強く否定しない」です。お金が山のように積まれても、好みにどストライクな人が来ても、会話をしていく中で「強い否定」をする人だったら、そっと離れます。
ちょっとした指摘だったら、心に留めます。けれど、人格まで否定するような、強すぎる否定は、もうお腹いっぱいです。強すぎる否定をする人にも、何かしらの考えはあると思います。でも、それが伝わらなければ、その発言は、行為は、意味を持ちません。そこに残るのは、後ろ向きな感情のみです。そして後ろ向きな感情から生まれるのは、さらに後ろ向きな言動だと思うのです。
私自身、大学生だったころに、人格まで否定するような教授に当たってしまったことがあります。字を書くのが下手といわれて育ってきたので、字にはコンプレックスがありました。それなのに、教授はわざわざ講義を受けている学生全員に聞こえるような声で「字が汚いわね。まっすぐ書けないなんて、性格も曲がっているのね」といったのです。授業内容に興味があったのに、その事件のせいでかなり傷つき、就活にも影響が出たほどです(まだ手書きのESや履歴書が求められる時代だったので)。どうしても自筆で名前などを書かなければならないとき、思い出してしまって手が震えることもあります。それって、いいことでは、ないですよね。
だから、否定されてつらい人は、必要以上に落ち込まないでほしいのです。トラウマを乗り越え切ったわけではないので、偉そうなことは言えませんが、自分を責めるのだけはしないほうがいい。それだけは言えます。
ハンドメイドをするときも、基本的に否定は避けます。否定するのは、後ろ向きになりすぎたときの、自分の気持ち、ぐらいでしょうか。否定する時間、気にしている時間を、もっと他のことに使いたい。そう考えるようになってからは、気持ちを前向きに寄せられるようになってきました。
優しさをプラスして
じゃあ、否定しないなら、肯定しかしないんだろうか、と思う方もいるかもしれません。結論から言うと、ちょっと正解で、ちょっと不正解です。
こういうお話をすると、「否定をしちゃいけないんだ、できるだけ相手を肯定しなきゃ」と捉えてしまう方もいるかもしれません。私はそう捉えてしまう人間なので、ちょっと大変な思いもしてきました。否定をしないで、とは言いましたが、絶対にするなというのではありません。根拠や理由、目的が明確で、優しさを感じられるものであればいいと思うのです。
例えば、「立ち入り禁止!」という看板と、「クマ頻出! 危険なため立ち入り禁止」では、どちらのほうが優しい感じがするでしょうか。個人差はあると思いますが、後者のほうが、クマの被害にあっては危ないから離れてください、というちょっとした優しさを感じませんか? さらに、クマがいて危ない、という理由が明確なので、多くの人が納得したうえで、行動できるのではないでしょうか。
ただ「だめ」と否定されると、意味をなさないといったのは、こういうことです。ただそこで、ほんの少し柔らかい表現に変えるとか、あなたの思いを伝えるとか、優しさをプラスしてほしいのです。
もちろん、肯定するときは、あなたの思いもちょっとだけ添えて、そっと肯定してくださいね。
可能性を、選んでいいんです
生きている以上、否定をしないで生きていくのはほぼ不可能です。もしそんな世の中になれば素敵ですが、脳の仕組みからいっても、結構難しいことなので、うまく切り抜けていく方法を身に着けるしかありません……。
否定したほうがいい場合は、根拠や理由、目的を明確にして、柔らかく。
肯定したい場合は、共感や思いを伝えて、そっと背中を押すように。
あなたにはいつも、選択肢があります。いろいろな選択肢、可能性の中から選ぶときに、この記事を思い出していただけたら幸いです。
心のどこかにそっと閉まっておいて、ふとしたきっかけで、そういうタイミングで、思い出してくださいね。それが役に立って、つらい思いをする人が少しでも減ればいいなと思っています。
今回は、否定について、私の思うところを書いてみました。長文にお付き合いいただき、感謝いたします。
次回は、タイミングについてお話していく予定です。
かなのの言葉、かなのわーずでした。