2月 ルワンダより
みなさんこんにちは!ルワンダ生活も4カ月目、変わらず元気に過ごしています。2月は大学のテスト期間があり、あっという間に過ぎてしまいました。最近嬉しく思っていることは、大学の友人たちともこれまでより深い関係になれてきていることです!文化や考え方の話をしたり、時に冗談を言い合ったり。
あっという間に過ぎていく時間を大切に、5か月目も頑張りたいと思います!それでは2月のレポートをお楽しみください!
伝統アート イミゴンゴ
イミゴンゴとは、牛糞を使った伝統的なアートである。イミゴンゴ発祥の地であるルワンダ東部のニャブイエという地で、活動されている日本人、加藤雅子さんの工房を訪問させていただいた。
工房に入ると室内の壁一面にイミゴンゴがあり、目が釘付けになった。作り手の女性から現地語であるキニヤルワンダ語でお話を聞かせていただき、それを英語に通訳していただいた。
ニャブイエにはもともと王国(ギサカ王国)が存在しており、その王子(カキラ王子)が作り始めたと言われているそう。近隣の女性に声をかけて作成し、その女性たちがその後自分の家にもイミゴンゴを作ったことによって広まった。嫁入り修行のひとつとして、母や叔母から作り方を学び、男性が作ってはいけないという決まりはないが、主に女性がイミゴンゴを作成するようになった。
1994年、ルワンダではジェノサイドという大量虐殺が起こった。その際、ニャブイエでイミゴンゴを作成していた組合の10人中7人が亡くなってしまったそう。口承で作り方や歴史が伝えられてきたため、そのことによって現在まで伝わらなかったことも多くあり、イミゴンゴは謎に包まれている。
イミゴンゴのデザインひとつひとつに意味がある。私が1番好きな『アマタナアトニシュジェ』をここで紹介する。
アマタナは、1点から始まって違う方向に進むが、最終的には1点で出会う模様のことで、アトニシュジェは追加するという意味だ。つまりこの模様には、「別々の道に進んでもまた会える・違う道に進んでも正しい道にまた戻れる」という意味がある。多ければ多いほど美しいという考え方から、同じ柄を繰り返していたり、慣用句を使った名前の柄があったり、独特な木の伐採方法(蒔きを用意したい場合、必要な時に木を切り倒すのではなく、数カ月前から少しずつ木の根元に切り込みを入れて、少しずつ木を枯らして枯れていない部分からは木の実などを取り続ける)に基づいた柄があったりと、ニャブイエ地方の人々の生活や価値観に基づいた由来が大変興味深かった。
工房の見学の後、ギサカ王国のカキラ王子が住んでいた岩山に行った。ルワンダに来て初めて写真にあるような赤茶色の岩山を見て、四国の約1.5倍の面積のルワンダでも、地域によってこんなにも景色や生えているものが違うのだと知った。タンザニアまで見ることができ、絶景を楽しんだ。
AVPワークショップ
2/1~2/3の3日間、大学で開催されたAVP(Alternatives to Violence Project)ワークショップに参加した。暴力に頼らずに紛争を解決する方法を見つけるもので、「肯定」「コミュニケーション」「協力」などのAVPの柱を様々なアクティビティを通じて実践的に学んだ。
例えば、「肯定」のワークショップとして行ったものは、まず2人ペアになり自分の好きなところや長所を相手に話し、相手はそれをできる限り覚えて「あなたの長所は~」というように相手に話す。その後4人組になり、先ほどのペアの長所を他のメンバーに話すというものだ。
「コミュニケーション」のワークショップでは、まず、悪い聞き手(スマホに熱中している、上の空など)に向かって話し、次によい聞き手(相槌を打ったり、目を見て話を聞くなど)に向かって話し、どのように感じるかを体験した。
また、AVPの曼荼羅と呼ばれるものも学んだ。「自分自身を尊重する」「他者を思いやる」「行動する前に考える」「非暴力の道を求める」「ベストを期待する」という5つがtransforming power(変換する力)の周りを囲んでおり、これら5つの実践が暴力を非暴力に変換する力になるというものだった。
このようなワークショップに参加することは初めてで、とても新鮮で学びとなった。
授業
東京外国語大学(TUFS)との合同授業、 “Conflicts and Peacebuilding in Africa” を受講した。 “War & Conflict in Africa“という教科書を読み、「資源」「民族」「主権」「援助」など様々な点から、アフリカでの武力紛争のメカニズムを考える授業であった。ディスカッションの時間では、他の学生の意見を聞き彼らは本当に紛争のある国から来ていること、そして自国の、アフリカの平和を心から願って自分の意見を持っていることを改めて感じた。将来NGOや国際機関等で働く際に、この授業で学習した困難やジレンマに陥ることは容易に考えられるが、批判だけをするのではなく、自分自身がどのように行動するかが重要になるという先生の言葉が深く心に残った。
牛乳文化
ルワンダの人は牛乳が大好き。クラスメイトの何人かは牛乳を入れた水筒を持って授業に参加するほど!お客さんをもてなす時にも牛乳が出す文化がある。イミゴンゴの工房を訪問させていただいた際、伝統的な入れ物に入れた牛乳を出してくださった。わらのようなものを燃やし、入れ物に香りを閉じ込め牛乳に香りをつけていた。燻した香りがして、とてもおいしかった!
休日の過ごし方
授業がない日の過ごし方をよく聞かれるので紹介したい。大学の図書館で授業の予習やレポート課題に取り組むこともあれば、出かけることもある。結婚式に参加したり、大学の学生主催のイベントに参加したり(スポーツ大会や映画鑑賞、夕食会など)、友人宅でごはんを食べたり、JICA協力隊の方のもとを訪問させていただいたり。マーケットでの買い物も授業のない日に行くことが多い。正規の学生の友人たちは、週末に開校される必修の授業に出席したり、その課題をしたりと忙しくしているが、暇があれば映画や連続ドラマを見たりしている。また、キリスト教を信仰している人が大半で日曜は礼拝に行っている。