簡単!ダイジェストムービーの作り方
今応援しているキャラクター『ラビイとビット』の簡単なダイジェストムービー(1分30秒)を作らせていただきました。アニメ動画について、デザイナー目線で少し書き残しておこうと思います。これからアニメ動画を作ってみたい人の参考になれば、うれしいです。
「ラビイとビット ゆるキャラグランプリ参加中だよ♪」(10/4まで公開)
簡単! アニメ動画はこれで作っています
今回、動画はVYONDで作りました。VYONDは誰でも簡単にビジネスアニメーションが作れるクラウドサービスです。今、セールスライターやクリエイターの方が広告など作るツールとして浸透してきているのではないでしょうか。
このアニメーションは背景とキャラクター画像をオリジナルで準備したので、どのソフト(例えばiMovie、プレミアプロ)でも作ることができます。VYONDを選んだのは、アニメーションが最も簡単に出来るツールだからです。感覚的・短時間でアニメーションが作れるので、時間のない方、動画制作が自分で出来るか不安な方にオススメします。
ただし、VYONDは1年毎の契約です。将来他の動画ソフトへ移行したい方は、VYONDは必要ないかもしれません。どのソフトでも作った動画を編集しなおして後々、使うことができるからです。Macユーザーなら簡単な編集はiMovie、アニメも実写動画も作りたい方はAdobeプレミアプロがオススメです。
完成度のバランスについて
出来上がってみて、文字詰めを忘れていたことに気づきました。結論から言えば今回はまあ、そこはどうでも良いかなと思いました。
私はデザイナーなので、丁寧な仕上がりは知覚価値を上げるために重要だと考えています。けれど、私は昔から感覚的に(無意識で)
「手作りはプロ(既製品)のように」
「デジタルは手作りのように」
という掛け合わせをやっています。足りないものを補おうとして、そうなるのかなと思います。そうすることで、人間的に身近な感じを覚えたり、完成した制作物のデメリットな部分が全体的にポジティブに伝わるのでは、と考えています。あまり器用に出来上がったものは機械的というか、何か自分の外っ側にあるようにも感じられます。
ただ、完成度の高いデザインが求められる時はきちんと作ろうと意識します。今回はゆるキャラグランプリ告知用だったので良かったですが、緊張感の問題かもしれません。
アニメーション動画の良さについて
エンタメ動画と比べると、ダイジェストムービーやコンセプトムービーは少し退屈かもしれません。エンタメとビジネスは違うところにあるからです。
とはいえ、真面目に考えるとどんどん固くなってしまいがちなメッセージをフワっとさせたままで見せられるということにアニメーションの素晴らしさを感じます。
文字で伝えるより動画で伝える方が伝わる情報量は多い(5000倍)、速度が速いというのはもちろん、それ以上に気分や意味が重なり合って動いていることを固めずに伝えられるというところに、本当の素晴らしさがあると思うのです。そういう「アニメーションを通しての理解」というものが、あるように思います。
オリジナルアニメを極力、簡単に作る方法
予算の関係で残念ながら今回、声優さんにお願いすることができませんでした。なのでメッセージは文字、音は音楽で構成されたアニメーション動画を作ってみました。動きの少ない簡単アニメーションは、着ぐるみの出来の良さが支えてくれています(着ぐるみ制作:着ぐるみのサンモルド)。
映画監督 平林勇さんが書かれていた記事を読んで、なるほど!と思ったアニメ制作についての記述を紹介します。
とても勉強になります。
今回のダイジェストムービーはイラストではなく、着ぐるみ写真を使っています。なので、胴体が跳ねていることも良かったです。イラストだと、笑ったり泣いたり怒ったり表情を変えることができます。けれど、顔を変化させることのできない着ぐるみにとって重要なのは体です。顔で感情を表現できないだけに、ボディで表すしかありません。そもそも、表情は体から出てきます。小手先だけで言葉に合わせようとすると、嘘くさく見えます。
感情とボディは繋がって動いています。着ぐるみが体全体を使って動いていることで、感情のこもった楽しい雰囲気を演出することができます。
言葉は感情と繋がっている。感情は体と繋がって動く。
キャラクター、メッセージ、プロデュースする人、関わったみんなのチカラで動画は出来上がります。誰一人として欠けては成し得ないのです。
簡単アニメーションを作るコツ
「アニメはシナリオ作りが最も重要」と言われます。
ヴィジュアルに関するコツを言えば、効率良くやることを諦めることです(ライティングもですが)。
効率良く作りたいのは、誰しも同じです。なるべく簡単に、短時間で作りたい。ゴールまで、最短距離で行きたい。出来ればそうしたいです。
でも実際は、キャラクターの切り抜きも背景も少なくとも倍以上制作します。センスの良い人だったら一回で作れるかもしれません。経験を積むことで、効率は良くなっていくのでしょう。けれど、残念ながらセンスも経験もまだまだ足りないという私のような方も多いでしょう。
センスは、量で補えます。置いてピンとこないものは、どんどん変更します。作り直しの時に、しんどい気持ちはありません。ゴールまでの道のりの長さに呆然とすることもありますが、使わなかったものは次に繋がるかもしれません。良くなる確信だけでポジティブに進みます。
この寄り道は一見、無駄に見えます。けれど、出来上がった映像にちょっとした重みを作ると思っています。迷ったこと、引いたことや足したこと、イメージとのギャップを埋めていく作業エネルギーは、見る人に伝わります。
デッサンをやったことがある方はわかると思うのですが、途中でほぼ全てを消して描き直すことがあります。そうすると、必ずそこに何がしかの存在感、つまりエネルギーが生まれます。惹き込む力です。それと同じことが、制作物には含まれると考えています。
・・と、簡単アニメーションのわりに意外とコダワリがあることに気づくのですが、もしあなたが何かを作るときに時間がかかってしまったら、それはアウトプットに重みを作ると考えてみてください。
シンプルだけど気になった、笑った、感動した、というものがあれば、その制作者の裏側にある基礎力、知識、思考錯誤など経験の積み重ねが裏打ちされていることを感じ、心から敬意を表したいです。
おわりに
自社や他社、商品を紹介する動画を作ってみたい方は多いのではないでしょうか。アニメ・実写にかかわらず、自分で制作することは個性や想いを入れ込むことができます。複雑にするより単純にする方が伝わるので、シンプルなものにあなたならではのストーリーを入れて、ダイジェストムービーやコンセプトムービー、自己紹介動画をぜひ作ってみてください。
協力:ラビイとビット(企画制作/『うさぎのおめめ』オフィス・ランテ)
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