【西陣織帯地製造】 桝屋高尾 ねん金糸の魅力
「ねん金糸(ねんきんし)」という糸があるのをご存知でしょうか。美しく煌めく糸を使った織物が最大の特徴です。桝屋高尾がこの「ねん金糸」と出会ったのは、1977年、3代目当主の時。名古屋にある、徳川美術館からコレクションにあった、ねん金袱紗(ふくさ)を復元して欲しいと依頼されたことがきっかけでした。
復元依頼を受けて、早速生地をルーペでのぞき、経糸(たていと)と横糸に、どのような糸が使われているのかを調べてみたのですが、横糸に入っていたのは、これまで見たこともない変わった金糸。 一般的な金糸は、糸に金箔を施した和紙を細くカットし、それを巻きつけてつくられるため、すべて箔で覆われており太さも均一なのですが、ねん金糸は箔で覆われていない部分があって芯糸が見えたりキレイに箔が撚りついている部分があったり、太いところがあったり細いところがあったり、ふしがあったりと、どこにも売られていない、珍しい糸が使われていたのです。
1年半ほどの年月をかけて、試行錯誤を繰り返しながら、何とかねん金袱紗の復元に成功。この「ねん金糸」をつかって帯を織れないかと考えた3代目は、帯地として使える「ねん金糸」の研究を続けます。それから5年という月日が流れ、ついに帯地として使える「ねん金糸」が完成したのでした。
現在桝屋高尾では、帯に加え、ストールやアクセサリー小物など、ねん金糸の魅力を生かした様々なモノづくりに取り組んでおられます。
▲ねん金糸を使ったストール
▲名刺入れ
美しく煌めく上質な風合いで、見ているだけでうっとり。
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