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「うん」はできる、「ううん」はできないのが英語 (否定文で as well as が使えない理由)
試験問題
高1の生徒さんからの質問です。
学校の試験で、以下のような問題が出たそうです。
私はそばを食べられないし、緑茶も飲めない。
I can't eat soba, ( ) ( ) ( ) drink green tea.
この( )に適切な単語を入れるように、ということですね。
生徒さんは、
I can't eat soba, as well as drink green tea.
と書いたそうです。
これは誤りなのですが、なぜ間違いなのか分からないとのこと。
たしかに as well as には「〜も」という意味がありますよね!
そこまで分かっているなんて大したもんです。
では、今回はもう一歩踏み込んで、英語と日本語の違いから、この問題を考えてみましょう!
「うん」はできる、「ううん」はできないのが英語
まずは、下の日本語と英語の例を見てみてください。
先生「花子ちゃん、泳げる?」
花子「うん。」=花子ちゃんは泳げる。
先生「花子ちゃん、泳げないの?」
花子「うん。」=花子ちゃんは泳げない。
花子「ううん。」=花子ちゃんは泳げる。
Teacher "Can you swim?"
Hanako "Yes. (I can.)" =花子ちゃんは泳げる。
Teacher "Can't you swim?"
Hanako "Yes. (I can.)" =花子ちゃんは泳げる。
Hanako "No. (I can't.)" =花子ちゃんは泳げない。
このように日本語の場合は、同じ「うん。」でも「できる」ことを表す時と、「できない」ことを表す時があります。
一方英語の場合は、"Yes"の場合は「できる」、"No"の場合は「できない」しか表すことができません。
つまり同じ単語でも、日本語の場合は文脈によって肯定・否定が入れ替わるのに対し、英語はいつでも同じになるのです。
Yesは肯定の意味しか持たないし、Noは否定の意味しか持ちません。
そしてそれと同じように、as well asは肯定の意味しか持つことができません。
ここまできたら、最初の問題でなぜas well asが入らないのか?もう分かりますよね!
私はそばを食べられないし、緑茶も飲めない。
I can't eat soba, ( ) ( ) ( ) drink green tea.
as well as は肯定の意味しか持たないので、「〜も〜ない」という文章には使えないのです。
なので今回は「〜も〜ない」という否定の意味を持つ neither を使います。
× I can't eat soba, as well as drink green tea.
◎ I can't eat soba, neither can I drink green tea.
なぜ neither の後ろが can I になるかが気になる人は、「neither 倒置」などで調べてみてくださいw
ちなみに、逆に「私はそばも食べられるし、緑茶も飲める。」の場合は、肯定の意味になるので、as well as を使うことができます。
◎ I can eat soba as well as drink green tea.
英作文ではどう書く?
今回の問題では、決められた場所に、決められた語数で書くしかありませんでしたね。
でも、実際に自分で話すときや、英作文で書くときには、この形にこだわる必要は全くありません。
たとえば否定文だったら以下のようも書けますし、
私はそばを食べられないし、緑茶も飲めない。
◎ I can't eat soba, neither can I drink green tea.
◎ I can't eat or drink either soba or green tea.
◎ I can't eat soba and drink green tea.
◎ I can't eat soba and drink green tea, either.
◎ I can't eat soba and I can't drink green tea.
肯定文だったら以下のようも書けます。
私はそばも食べられるし、緑茶も飲める。
◎ I can eat soba as well as drink green tea.
◎ I can eat soba and drink green tea.
◎ I can eat soba and drink green tea, as well.
◎ I can eat soba, and also I can drink green tea.
それぞれ言い方は少しずつ違いますし、一番最後の文章は少し冗長ですが、伝えようとしていることは同じですね。
もちろん上記の例以外に、他の言い方を思いついた方もいると思います。
英語や外国語など言語の本質は、情報の受送信、つまり「自分の考えを伝えること」と「相手の考えを理解すること」です。
(今回の問題は、その両方とも満たしていないので、正直個人的には生徒に何をさせたいのかよく分からない問題だと感じています。。。これが和訳問題だったら「相手の考えを理解する」ための一歩になるので、理解できますが…。同じ意味で自分の考えを伝える方法はたくさんあるのに、なぜこの書き方に限定するのか。。)
言語は「1+1=2」のようにはっきりした答えが決まっているわけではなく、同じ情報を伝えるのに様々な言い方ができてしまう、いわば正解がたくさんある分野です。
情報伝達だけでなく、その人の個性やひととなり、格式高さ、丁寧さ、親しみなど、色々な要素も、言葉を変えることで表現することもできます。
また、同じ文章であっても、人によって捉え方が変わることもあります。小説などの解釈が分かれるのもその典型ですね。
なのでぜひ、英語を学ぶときにはリラックスしてほしいです。
言語は◯×の世界ではないのだな、と気楽に感じてもらえれば幸いです(^ ^
I hope this article makes you feel relaxed. Have a nice day;)