英検とTOEIC両方指導している立場から見た、どちらを受けるべきか
普段から英検は3級~1級まで、TOEICは初心者から900点以上の上級者まで幅広く見ていて、どっちを受けたらいいですか?と質問をよくいただきます。同じ英語でも内容、問われる力は全く異なるので、目的によって受ける試験を変えなければいけません。
今日は留学、就活、転職、資格試験以外の面からお話したいと思います。
TOEICと英検の違い
内容、試験時間、開催頻度はそれぞれ異なります。
試験内容について
英検:アカデミックな英語を理解する力が求められます。海外の歴史、人体に関すること、天体系、昆虫系など、知的好奇心が刺激される内容が多いです。レベルは5級~1級まであり、級が上がるにつれて難易度も上がります。
3級以上はリーディング、リスニングに追加して、ライティング、スピーキングもあり、4技能を測るテストになっています。トピックは環境問題、テクノロジー(自動運転、宇宙技術)、日常生活(消費税を増税するべきか、ECは普及していくか)など多岐に渡り、文字数や話す時間は級によって異なります。
TOEICの場合:日常英語やオフィス英語を理解する力が求められます。
英検と違い、皆んな同じ共通の問題を解きます。リスニング&リーディング、スピーキング&ライティングの2種類ありますが、LR受験者が圧倒的多数なので、今回はLRを前提にお話しをします。
内容は先述した通り、日常会話+オフィス英語。
・短い会話、長い会話を正しく聞きとる力
・メールやチャット、図表を読んで理解する力
・複数の記事を読んで情報を精査し、理解する力
などで英語力が測られます。
有効期限はあるの?
英検の場合:有効期限はありません。一度合格したら一生有効です。
TOEICの場合:日本のTOEICは有効期限の記載がないため、一生有効です。ただ企業によっては、直近1~2年のスコア提出を求めるところもあります。
開催頻度
英検:従来型とPC受験型で異なります。
①従来型は年3回。リーディング・リスニング・ライティングを一次試験で行い、通過した人だけ二次試験として面接を受けます。ライティングは筆記です。
②PC受験型(4技能を1日で測ります)のS-CBTは毎週実施。ライティングは基本タイピングですが、筆記を選べる回もあります。
TOEIC:月1回実施。
毎月受験が可能ですが、時間は午前と午後に分かれていて、どちらか選ぶ必要があります。
英検とTOEICどちらをやるべきかは目指す方向で異なる
英検がいいタイプ
①留学を考えている人
英検だけで申し込める留学先があります。
また大学、大学院留学ではTOEFL、IELTSのスコア提出が求められますが、準1級レベルの英語力を有していると、TOEFLやIELTS対策がスムーズに開始できます。
②4技能をバランスよく高めたい人
3級以上はライティング、面接があるので、英文構成力、スピーキング力が養えます。トピックもテクノロジー、時事問題、人権問題に関するものが多いので、社会性の高い内容も話せるようになりたい!という方に非常におすすめです。
③その他
高校生の場合、準1級以上取得していると成績に加点されたり、大学入試時に英語の試験が免除になるケースがあります。
TOEICがいいタイプ
①就職活動を控えている人
就活では、TOEIC LRのスコアを見る企業が圧倒的に多いです。採用時に求めるスコアを開示している会社もあるくらいです。
2022年1月~2023年1月(直近14回)で行われた、TOEIC LRテストの平均は603点でした。履歴書に書きやすいのは平均より上の点数になります。
大企業なら700点程度、外資系なら800点程度、一流企業は900点以上あるとベターです。スコアが求められない企業でも、高得点者だと新卒から花形の部署に行きやすかったり、海外駐在のチャンスも速く、多くなります。
②転職活動を行う人
TOEICのスコア提出を求められることが多いです。職歴やスキルの方がより評価され、TOEICは必要絶対条件ではないですが、英語力も備わっているという大きなアピール材料になります。
③その他
大学入試時に、英語試験免除や加点される大学があります。
おわりに
英検は将来留学を考えている人、4技能をバランスよく鍛えたい人に、TOEICは就活や転職でのアピール材料にしたい方などと書きましたが、自分は別の理由で英検・TOEICを選んでいるよなどがあれば、ぜひコメント欄で教えてください。
また実際に、英検やTOEICに関する悩みを相談したい、サポートに興味があるという方は、「武田塾English」で無料カウンセリングを承っていますので、お気軽にお問合せください。
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