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【マーケ】水は高いところから低いところに流れる

本日はマーケティングでよくある危ない考え方の話。もうすでに、タイトルをご覧になったかと。

水は高いところから低いところに流れます。

これは、USJをV字回復させた森岡毅さんの書籍『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』に載っていた一節。

なんでもない白字で書かれていた箇所だったのですが、僕はこの言葉を見た瞬間、心の中のモヤモヤがスッキリ晴れていった気持ちになりました。それくらい痛烈に的を得た表現であり、マーケティングに欠かせない考え方でした。

もったいぶっているようですいません。
その言葉は『市場の原理に逆らってはいけませんよ。』という意味で仰っていました。

原理というと小難しく聞こえるかもしれませんが、すでに与えられているデータや常識に逆らのはダメですよ、ってことなんです。

聞いてみれば当然で、データを意識してやるのは当たり前ですよね。
ただ、『データを意識する』という考え方ではなく『逆らってはいけない』という切り口からだと、また違う感じ方と学びがありますよ!

逆らったらどうなるかを知ることで、より一層データを意識するという程度が深まるとも思います。

僕はマーケティングでめちゃくちゃ失敗した過去を1つ持っています。
もう、本当にめちゃんこです。

その原因は、まさに市場の原理を無視したことが原因でした。

ついつい情報発信をしていると熱が入り込んでしまい「今これしないとまずいよ!」という意識の理想を元に商品を作ってしまう人って少なくないと思うんです。

それで、囲ったターゲットの年齢層や興味があることなどは事前に押さえていたのですが、「その興味ある」のグラデーションを完全に無視していて、興味あるって答えた人が多かったのですが、それは「確かに大事だとは思っているけど。」って意味だったことが最大の失敗でした。

言い換えれば、「大事なのは分かってるけどやりたくない」ってことです。(まあ、アンケートの聞き方が悪かったんでしょ、って言われればそれも1つの原因です。)

でも例えば、世の中の多くの人がダイエットを意識するのは冬でも春でもなく、夏に入るか入らないかってところですよね。

消費者には、消費者がそれに関心が高まる時期があり、そのタイミングを「できるだけ早く!」って説いたところで気持ちは変わらず焼石に水なんですよね。

確かに、下から上へ水を運ぶことも可能なのです。でも、それって滑車が必要だったり、電力が必要だったり、色々とエネルギーが必要なのが分かると思います。

マーケティングでも同じで、例えば、数回動画などで「早くから始めないとダメなんだ!」と教育したところであまり効果はありません。

視聴者は、あなたの主張を聞いて「確かにな〜」って思うとは僕も思います。ただ、それってすぐに忘れることなんです。

なぜ、ダイエットが夏前に意識が高まるかと言われると、夏の暑さで自分の肌の露出が増えたり、周りの広告などで露出が増えたものが目に入るようになり、日常的に体型を気にするようになるから忘れない、と思うのです。言い換えれば、それについての考える回数が増えるからやばいなっていう意識が働くって感じですよね。

もちろん、ダイエットは比較的1年中関心のアベレージが高いジャンルだと思います。

また、先ほど紹介した書籍では、『世間の意識を変えるってことも不可能ではない』、実際に成功した例も紹介していました。ただ、大企業だからこそできることだと思います。(森岡さんのP&G時代の話)


今では、普及しているエナジードリンク。でも、ここ最近になって疲れたり元気が欲しい時のお供という考えが普及しています。街中で積極的に無料で配布したり、広告などのイメージでやっと根付いてきました。


この継続性が必要で、また継続するにはめちゃくちゃお金がかかりますし、ましてや、マスに訴えかけるには、広告料なども大きくかかります。これくらいできれば、常識は変えられると思うのですが、とても難しいですよね。


水は高いところから低いところに流れる。市場原理に逆らってはダメですよってお話でした。

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