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マッチングアプリを辞めた日

一月のある日、私は胃腸炎になり動けはしなかったがとても暇だったので、それまで絶対にしないと決めていたマッチングアプリを入れた。

恋愛がご無沙汰すぎて恋に恋したい気持ちと、真面目に恋愛したい気持ちがあった。

どのアプリがいいかはわからなかったので、Googleで調べた。

真面目な人が多いと書いてあった某アプリをインストールしてみた。

恋愛診断やいろんな心理テストがあって、思っていたより出会い系という感じでもなく、始めやすかった。

最初の何日かは沢山のいいねが来て、何人かと話すことに成功した。

受け身すぎる男性や、質問ばかりしてくる男性、色んな人がいた。

あれでもないこれでもない、と話す人を選ぶようになるとマッチしなくなった。(当然のことだが)

趣味の話だけで画面上で話を続けるってこんなに難しいのかと思い知ると、同業者と仕事の話をしたら深く理解し合えるのではないかと思い、同じような職業の人と話し始めた。

私より歳は3つ下だったが、独立しているということだったので興味が湧いた。

話し始めて1週間くらいは仕事の話をして、それから電話をした。電話で話した時、車が好き同士ということで更に仲良くなれた気がしていた。

そうして初めて会う日が来て、話も会うし、ドキドキはしなかったが一緒にいて苦痛じゃなく、楽しかった。

週2で会うようになり三月になった。

もう6回以上会っているのに、何も進展はなかったので、私も腹を括って他の人を探さないといけないかなと思い初めていた。

しかし、私はどうやらマッチングアプリに向いていない女だったようだ。

1人の人と仲良くなったらそれ以外の人と仲良くすることは関係性がハッキリしない限り、出来ないタチだったからだ。

彼に申し訳ないと思いながら他の男性と会ったり話したりするのは何故か罪悪感を感じて出来なかったので、正直ドキドキも無いし、好きかどうかはわからなかったが、このままではいけないと思い彼に聞く事にした。

「正直私は好きかどうか分からないし、友達でもいいけど、友達なら友達、恋人になるなら恋人、関係をハッキリさせてくれないと次に進めないから、どうしたいか教えて欲しい。私は友達なら少し悲しい気もするけど、それはそれで次に進めるから大丈夫。要は私が他の男と話したり遊んだりしても何も思わないなら友達、思うなら恋人って話。」と。

「…一緒にいて楽しいし、面白いし、楽だし…他の人と遊んでほしくはないかな…。」


照れながら彼はそう言ったが、明言を避けられていたので、そういうことだ。

続いて彼はこう言った。

「…今は仕事に集中したい気持ちもあるっていうか…前の彼女と色々あったし、寂しい思いをさせるかもしれないから…」と。

まあわかる人はわかるだろうが、ここはひとまず最後まで読んでほしい。笑

「何があったの?」と私。

彼はあまり言いたくはないと渋っていたが、重い口を開いて、
「前の彼女が毎週日曜日の夜10時から必ず会わないといけない人で、返信を催促されていたりしたからそれがキツくて別れたから…」と言った。

私は彼を信じていたので、それは元カノが束縛する人なんだったんだな、私はならないよ。と思ったので、
「なるほどね〜、まあ会いたい時に会えればいいんじゃない?社会人だし無理な時は無理だしさ。」
とイイ女風な言葉を言って、最後に

「まあ、合わなければ別れればいいんじゃない?」と半ば強引に付き合うことを提案したのだった。

今思えば、恋愛経験豊富な女性なら絶対にこんな男とは付き合わないだろうと思うが、私はそうではなかったし恋に恋していたので付き合うことになった。

それから最初の2週間ほどは、とても甘い言葉を言ってくれるものの、触れることもなくゆっくりと時が進んでいた。

しかし2週間をすぎた頃、少しのお触りを許したら、徐々に態度が変わっていった。

気づかないふりをしていたが、完全に今思えば都合の良い女だったと思う。

1ヶ月前から約束していた遠出の日が近づいた頃、職場の人の子どもがコロナになったから、その人の出勤日に代わりに出なきゃいけないかもしれないと。

だから遠出の日を前日と入れ替えれないか?と連絡が来た。

もちろん、私としてはこのご時世だから理解していたので、怒ることもなく、「わかった、じゃあちゃんと明日どうなるか決まったら教えてね。」と言った。

次の日、彼はヘラヘラと、「もしかしたら出てくれるかも笑」と一言私に連絡してきた。

かも?とはどういうことだ?と私は思ったので、
かもって?と聞き返したら、それ以降スッと連絡が途絶えてしまった。

私は最後のチャンスをと思い、「明日の夕方5時までにどうするか教えてくれると嬉しいな。」と送った後に「もし教えてくれないなら、前日も当日も私は遠出はしない」とハッキリ意思表示をした。

私は遠出の前日に病院に行かなくてはならず、(重大な病気が見つかっていたので)キャンセルするには前日の夕方までに連絡しないといけなかったから、強くそう言った。


もちろんそれは彼も知っていた。

翌日、朝「ごめん寝てた。朝イチで聞いとくね!」
と連絡が来ていた。

私は少なからずまだ腹が立っていたので、既読無視をしてしまい、お昼になった。

お昼になっても連絡はない、昼の3時になっても連絡はない。

当然行く気はなかったのだろうが、私はそういう察しろというような態度が気に食わなかったし、私の予定はどうでも良いというような態度に腹を立てていたので、なぜ私が怒っているのかを5時ぴったりになった瞬間、長文で送ってしまったのだった。


私が怒っていたのは、調整ができなかったことに対してでもなく、コロナになった人のせいでもなく、行けないことをちゃんと言葉で伝えようとしなかったことに腹を立てていたのだ。

そうして夜の11時になる頃、4行、
「連絡できなくてごめん!」
「〇〇ちゃんの予定もあるのにごめん!」
「今回の件は本当に俺が悪い!」
「ごめん、友達に戻りたい。」

と連絡が来た。

動揺は隠せないし、まさかこんなことで、しかもLINEで簡単に別れを済ませられるとは予想だにしなかったので、思わずひと言「は?」と返した。

電話をしても出ない、理由を聞けば情が湧くから会う事も、電話もできない。と言われた。

なんて卑怯で女々しい男なんだ…とこの男と数ヶ月一緒にいたことすら恥ずかしく思えて、苦しかった。

週2で会っていたのに、

「〇〇ちゃんと会えないのが申し訳ない
今は仕事に集中したいという思いがあるから
別れよう。」

何を言っているんだ?こいつは?と思って
週2で会ってたよね?って詰めると

たしかに。と一言帰ってきた。

遊びだったのかと聞けば、本気で好きだったよ!と軽く言われた。

未来も見えないし話し合う事もできないのね?と確認を取ると、

あっさり「うん」と返ってきた。

その時点でもう無理だと分かったので、別れを承知する旨は伝え、今までもこうしてきたのかと尋ねると、元カノ全員にこうしてきたと言うではないか笑

Oh,そうですよね、私だけが例外だなんて調子に乗ってました、カミサマ。

そう、典型的なクズで自惚れ屋だったのだ。
運命的に好きになり、理想と違えば嫌いになる。

受け入れるという事を知らない人だったのだ。

思えば親友をクズ呼ばわりしたり、友達から遊ぼうと連絡が来ても無視して私と遊んだりするような奴だった。

クズの友達はクズだし、友達にすることを恋人にしないわけがない。笑

毎回言うことが変わり、職業も結局ウソ(フリーター)ギャンブルはしないと言いながらギャンブルのYouTubeを配信していた男だった。

ビッグマウスとはこのことだ。笑

身の程知らずで、責任を問う事態が発生すれば逃げようとしていたことを私は知っている。

その時点で気付くべきだったが、恋に恋していた私は何も気付きたくなかった。

別れて1週間は自分を責め続けた。

戻りたいとかではなく、この男と過ごした時間を後悔したのだ。自分の見る目の無さに落胆したのだ。

何回も別れの前の3日間を頭の中でリピートし続けた。私の悪い部分は多分長文で送ったこと。それだけだ。でもその原因を作ったのはアイツだ。

2週間ほど経つとだいぶ良くなった。
1ヶ月を超えるとどうでも良くなった。

それでもまだあの瞬間がフラッシュバックする。

そうして素敵な男性と私はもう出会えないのではないかと、グルグル頭の中で考えたりもして。

だけど最近は、それすらも考えなくなった。
マッチングアプリも相変わらずしていたが、恋愛自体にもう興味が湧かなくなった。

ドキドキもしたいと思わないし、楽しい時間だけを過ごしたいとも思わないし、恋愛は私にとって必須項目ではなかったようだ。

選択項目だったら、選ばなくても良い。

そう思うと一気にどうでも良くなって、マッチングアプリをやめた。

私はリアルで出会って好感を少しずつ持ってその人を知りたい。

携帯の中だけでは分からない、まだ20代前半だが、私にはその方が向いてるようだ。

諦めないでマッチングアプリをしたら良い人に出会えたのかもしれないけれど、私は恋愛をしばらくお休みしたいと思う。

まだまだ心の傷は癒えない。それは誰かに与えられた傷ではなく、自分で自分を傷つけた傷だから癒えないのだ。

求めなければ、出会わなかった。

つまり自分を自分で傷つけにいったのだ。

誰かと一緒に幸せになりたかっただけだけれど、
それを求めて動く場所はマッチングアプリではなかったようだ。

だから今日私は心の整理がついたのでマッチングアプリを辞めたし、こうしてここで書いて昇華している。

明日からは自分を自分で癒そう。

#マッチングアプリ
#恋愛

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