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雲Nubes_2016.6.1

noteで雲の写真集『雲Nubes』をつくっています。


2016年6月1日(水曜日)13時48分
群馬県藤岡市


鳥の翼に見えたので、noteのマガジン『鳥Aves note I』の表紙画像にしている。巻雲(けんうん)に分類される雲だろうか。


2016年6月1日(水曜日)13時51分
群馬県藤岡市


▼日ごろよく目にする雲のなかでも、美しさでは巻雲がいちばんにちがいない。英語では「シラス(cirrus)」といい、髪の房を意味するラテン語からきている。高い天になびく白くつややかな細い氷の髪だ。ヒッピー世代のソングライター、ジョニ・ミッチェルは1969年の曲「青春の光と影」で、この雲を「天使の髪」に喩(たと)えた。きっと天使は、極上のヘアコンディショナーで髪を仕上げていたのだろう。
——ギャヴィン・プレイター=ピニー『「雲」の楽しみ方』桃井緑美子(るみこ)訳、河出文庫、2017年1月20日 初版発行

日本では巻雲のことを「しらす雲」とも呼ぶ。「しらす」はイワシの稚魚。イワシは「いわし雲」、「しらす雲」と親子で雲の名になっている。




▼大理石の淡い縞模様、上等な霜降り肉。ついそんなものともくらべたくなるが、それではふんわり感がなさすぎる。もっと近いのは、そのときの気分しだいで純白か漆黒(しっこく)の衣装をまとったという北欧神話の女神フリッグの逸話だろう。女神の住んでいたフェンサリルの館(やかた)には霞(かすみ)の広間があり——一家に一部屋はほしいところだ——フリッグはその部屋で宝石をちりばめた糸車をまわして長い雲の織物を織った。まさに巻雲はそんなふうに見える。上等の細い絹で織られ、「メイド・イン・フェンサリル」のタグがつけられているのではないだろうか。
——同上。
※フェンサリル(古ノルド語: Fensalir)は、北欧神話で、主神オーディンの妻の女神フリッグの住む宮殿の名称で、「海の宮殿」の意(Wikipediaより)。


北欧神話の女神フリッグ
John Charles Dollman《Frigga Spinning the Clouds》
(Wikipediaより)




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