雲Nubes_2016.7.7
noteで雲の写真集『雲Nubes』をつくっています。
▼雲を愛でる会 声明書
われら雲を愛でる会は、雲が不当にも悪者扱いされていると考える。雲がなければ人生は果てしなく味気ないのである。
われら雲を愛でる会は、雲は自然のうたう詩だと思っている。万人にひらかれた雲は、自然が誰にも分け隔てなくその姿を見せてくれるものである。
われら雲を愛でる会は、「青空一辺倒思考」と戦うことを誓う。くる日もくる日も雲のない短調な空を眺めなくてはならなかったら、人生は退屈きわまりない。
われら雲を愛でる会は、人々が雲は大気の気分を表わしたものだと気づいてくれることを願う。表情から人の気持ちを読みとるように、雲から大気の気分を読みとれるのである。
われら雲を愛でる会は、雲が夢を追う人のものであり、雲を眺めることが魂の癒しになると信じる。雲に何かの形を見出す人は精神分析医にかかる費用を節約できる。
よって、われら雲を愛でる会は耳を傾けてくれる人にかならずこう勧める。
空を見上げ、あの一瞬の美に驚嘆なさい。そして雲のなかに頭を突っこみ、空想にふけってお暮らしなさい。
——ギャヴィン・プレイター=ピニー『「雲」の楽しみ方』桃井緑美子(るみこ)訳、河出文庫、2017年1月20日 初版発行
こういう声明文には、興醒めしてしまう。どうぞご勝手に。
そもそも雲のなかに頭は突っ込めない、私の場合は。