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「鶺鴒一册」17
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[要行為禁止制限地]
甘楽郡小坂村大字上小坂字番田川1166, 1167, 乙1171, 丙1171, 甲1177, 乙1177, 甲1192, 甲1193番地以上全筆/字番田川1168番地内9, 10号を結んだ線より川沿の区域/字三本木1237番地上流筆境を対岸に延長した線より1227番地下流筆界を対岸に延長した線に至る区間及び字番田川甲1193番地上流筆境を対岸に延長した線より小坂川合流点に至る区間国有河川敷全域を飛ぶ/
/補償子(compensator)ガクルッテクル
†鶺鴒が水平を視準すれば無限遠の水平線上にある____が焦点距離 f にある焦点鏡γに写像されるが
鶺鴒の視準がαだけ傾けば γはαf =γγ’なるγ’に移動し γ’では孤度αの方向を視準することになる
γから l だけ離れた一の補償子が機能し βl =αf となるように入射光路を傾ければ γ’において水平線上の____を視準することができるこの補償子の機構がぶれはじめている
(※「f(エフ)」と「l(エル)」はイタリック体)
(追記)
20代は東京で、編集関係などの仕事をしていたが、30代初めに東京から群馬に転居。なかなか職が見つからず、ようやく就職できた小新聞社に8年勤め、40代初めに退職。それから3か月間、市内の測量会社で職業訓練を受けた。その間に、通信添削講座と市販の参考書で「測量士補国家試験」の勉強をし、詰襟の男子高校生たちに混じって試験を受けて合格した。「鶺鴒一册」11~13と15~17には、その時の勉強の痕跡が残されている。
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社団法人 日本測量協会 平成13年11月16日発行
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株式会社 山海堂 2002年1月15日 平成14年度版第1刷発行
表紙に方眼用紙のトレーシングペーパーを巻いている。
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今、読み返すと、なんともチンプンカンプン。「鶺鴒一册」11で「鶺鴒」のルビとした「alidade」は、平板測量(狭い地域の等高線地図を作成するための測量)に用いる機器で、Wikipediaで調べると、▼「最近ではトータルステーションの普及により、あまり使われることがなく、測量士試験・測量士補試験では平成20年度より問題から削除されているが、高校等の実習で放射法などの基礎を学ぶために使用されることは多い」とある。
この「鶺鴒一册」17にある「補償子(compensator)」とは、測量レベル(水準儀)の自動補正装置のこと。[要行為禁止制限地]にもかかわらず、あちこちを測量しつつ飛びまわる鶺鴒の、視準線を自動補正する機構が狂いはじめていることを書いている。
「測量士補国家試験」に合格したとはいえ、実務経験もない四十男が、測量会社に就職できるはずもなく、紆余曲折を経て、再び編集関係の仕事に就き10年、55歳で退職。その後は市の文化財保護課で、縦穴式住居群や古墳などの遺跡発掘作業に従事した。発掘現場での経験は、今、noteで公開中の断章詩篇『鳥Aves note』に、その痕跡を残すことになる。