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雲Nubes_2015.11.29

noteで雲の写真集『雲Nubes』をつくっています。


2015年11月29日(日曜日)朝8時45分 
群馬県藤岡市


▼雲が真っ白で不透明に見えるのは、水は水でも直径数千分の1ミリという細かい水滴が無数に集まっているためだ(1立方メートルあたりなんと約10000000000個、早い話が100億個)。この無数の微小な水滴の表面が太陽の光をあらゆる方向に散乱させるため、(……)雲はぼんやりした乳白色の塊に見えるのである。

▼吐く息はつねに水蒸気を含んでいる。埃や汚染物質が肺に入らないように、湿った気管支が食い止めるという体のしくみでそうなるのだ。暖かい呼気の重さの少なくとも4%は水の分子で、この水分子はあらゆるもの、たとえば空気の成分である酸素や窒素、その他の分子と衝突する。このように分子のひとつがバラバラに飛びまわっている状態のときの水は気体で、「水蒸気」と呼ばれる。個々の分子は小さくて見えないため、空気はどれだけ水蒸気を含んでいようと透明だ。この水分子が結合して塊になると、ようやくわたしたちの目にも見えるようになる。寒い日に吐いた息が白くなるのは、それが起こるからだ。
——ギャヴィン・プレイター=ピニー『「雲」の楽しみ方』桃井緑美子(るみこ)訳、河出文庫、2017年1月20日 初版発行

今日から霜月。朝、外に出ると、吐く息がほんのり白い。




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