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「鶺鴒一册」18


「鶺鴒一册」18


欄/




                 /干



「鶺鴒一册」11~17で、あちこちを測量しつつ飛び回った後、川に架かる橋の「欄/干」の隙間を素迅く潜り飛び去る鶺鴒をイメージしたページ。

2008年『現代詩手帖』5月号掲載の『干/潟へ』のブックレビュー冒頭で、背中合わせに綴じた「鶺鴒一册」と「欄/干」の関係について、山内功一郎さんはこう書いてくださった。

▼『干/潟へ』。そう名づけられたこの詩集を左から開けば、我々は「鶺鴒一册」と呼ばれる横組みの詩行を目の当たりにすることになり、右から開けば「欄/干」と呼ばれる縦組みの詩行に目を晒すことになる。両端から始まる横綴じの書と縦綴じの書は、共に詩集の中心を目指しているかのように進んではいくが、実はありうべき中心への到達よりも、むしろ互いの詩行への交差的介入を試みている。

『干/潟へ』をQuarkXPressでレイアウトしている当時、見開きの左ページに「欄/干」を、右ページに「鶺鴒一册」を配置することも考えていた。「鶺鴒一册」05でも触れたが、このレビューは本当にうれしかった。


山内功一郎「響kiと翳ri――薄井灌『干/潟へ』」


2008年『現代詩手帖』5月号(表紙)




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