夢みたいなもんだから
快晴だ。
秋空は半球状に天井を高く掲げているが、足許の影は夏の気配を残して青みがかっている。今はたぶん夏の終わりで、日差しは濃いものの肌を刺すほどではなく、空気はひんやりとしている。
私の立つ一本道の両側には田んぼが遠くまで広がっている。稲は金色に実っていて、しかしよく見ると収穫するにはまだ若い。穂先はふらふらと心許なくお辞儀していた。
同じ高さで続く稲穂の果てに建物の影は確認できず、四方を囲う黒黒と茂った山と田んぼの交わる辺りは遠すぎてどうなっているのかわからない。どうなっ