見出し画像

人口比1000倍の観光客が押し寄せても「観光客嫌い」が起きない白川郷の理由とは? そして鎌倉におけるヒントとは?

観光地が抱える「#オーバーツーリズム」は、観光業の発展と引き換えに地域住民の生活を圧迫し、観光地としての価値そのものを損なう深刻な課題です。しかし、岐阜県白川村は、人口約1400人の村に年間100万人を超える観光客が訪れる状況下で、地元住民と観光客が共存し、観光地としての魅力を高め続けています。なぜこのような共存が可能なのでしょうか?(参考記事はコメントにて)

この事例を通じて、鎌倉が抱える課題と解決策を探ります。

白川郷での成功要因:村人主導の景観保全と観光客との共存

  1. 「守る会」による主体的な景観保全

白川郷では1971年に「守る会」を結成し、「売らない・貸さない・壊さない」という理念のもと、村の景観と文化を守る取り組みを進めてきました。この村人主体の活動が、高度経済成長期の開発ラッシュから貴重な景観を守り抜くことに成功し、現在も村のあらゆる決定を「守る会」の会合で話し合う仕組みを維持しています。これは鎌倉における古都保存法制定と風致保存会の関係に似ていますが、今後は、保存だけではなく、環境・文化の再生を促す事で、より良い持続可能なまちづくりを推進する事が可能です。

  1. 観光客との共存を目指す柔軟な姿勢

村の7割の住民が観光業に従事している現状を受け入れ、外部の人々を歓迎する文化が根付いています。一方で、訪問者に迷惑行為を防ぐ啓発活動や駐車場の制限などの具体策を講じることで、観光の負担を軽減しています。さらに観光客が責任を持って観光地と向き合う「#レスポンシブルツーリズム」を通じて、観光客にも地域文化や自然環境、文化財保全を尊重する行動を促しています。

鎌倉の課題:オーバーツーリズムと地域活性化の両立

鎌倉は白川郷と同様に多くの観光客が訪れる一方、日中の旧市街地への観光客集中や住民生活への影響、環境保護の課題を抱えています。また、観光地としての維持だけでなく、少子高齢化が進む地域の経済や文化の保存、活性化による再生も重要なテーマです。

#リジェネラティブツーリズム による解決策:鎌倉での具体的なアプローチ

  1. 「時間と場所の分散化」による観光集中の緩和

観光客が特定の場所や時間に集中することを避けるための取り組みが必要です。たとえば、以下のような施策が考えられます。

• 訪問先の多様化: 鎌倉市内の主要観光地以外にも、地域の歴史や自然を生かしたスポットを案内。北鎌倉や山間部のハイキングコース、禅寺での坐禅体験などが挙げられます。
• オフピーク時の観光促進: 朝や夕方の静かな時間帯に、観光を楽しむプランを提案。ライトアップイベントや夕暮れ時の静寂を楽しむ特別ツアーなども有効です。

  1. 滞在型体験観光の推進

短時間の観光から、地元文化に触れ、深く理解する体験型観光へシフトすることで、観光の質を向上させます。具体例として、
• 禅と自然のリトリート体験: 禅寺での坐禅や心を癒す自然散策、心身の再生プログラムやワーケーションの推進します。
• 観光庁が主導する「#武道ツーリズム」における武道文化の体験: 武家文化発祥の地を活かした「#鎌倉円覚寺と禅と空手道の縁」などの武道体験型イベント。たとえば、日本空手道発祥の地での伝統的な空手道の稽古や禅に通ずる精神性について学ぶプログラムを用意します。
• 地元職人との交流: 鎌倉彫や鎌倉野菜を使った料理体験、伝統工芸のワークショップを観光客に提供します。

  1. 観光客と住民双方に向けた啓発活動

観光客には、訪問先の文化や自然を尊重する行動を促し、住民には観光収益の重要性や観光客との共存の意義を伝える必要があります。そのためには下記の様な施策が必要となります。

• 「#レスポンシブルツーリズム」の啓発: 白川郷の事例を参考に、観光客に配布するパンフレットやSNSで「責任ある観光」について発信します。
• 住民参加型のワークショップ: 観光の課題と可能性を議論する場を作り、住民主体のアイデアを生かした観光施策を展開します。

鎌倉での実現に必要なこと

  1. 地域住民の主体性の確保
    白川郷の「守る会」のように、住民が主体的に観光と地域の文化保護に取り組む体制を整えることが重要です。鎌倉では、地域ごとに住民と自治体、観光業者が連携する場を構築し、課題を共有・解決する場を設けることが有効だと考えます。

  2. デジタルツールの活用

観光客の流れを可視化し、観光地への集中を避けるために、白川郷が取り組んでいるような渋滞情報サイトや、観光客向けのアプリの開発が必要です。また、SNSやウェブサイトで「分散型観光プラン」や「滞在型体験」を積極的に発信します。

  1. 持続可能な観光の資金確保

景観保全や啓発活動には継続的な資金が不可欠です。観光での売上の一部をインフラ整備や文化財保全に使う制度の導入や、観光客向けの寄付制度を取り入れることで、観光の利益を地域に還元します。

鎌倉は白川郷と異なる課題や背景を持ちながらも、その成功事例から学ぶことで、地域の文化と観光業の共存、さらには観光を通じた地域の再生が可能です。リジェネラティブツーリズムの理念を実現することで、持続可能で魅力的な鎌倉の未来を築く一歩としてまいります。

#持続可能な観光 #環境保護 #文化交流 #地域再生 #健康と幸福 #エコツーリズム #地域活性化 #滞在型観光 #鎌倉観光 #禅 #空手道 #円覚寺 #インバウンド観光 #地域経済支援 #観光新時代 #オーバーツーリズム解消 #空手
#鎌倉
参考記事: 白川郷に押し寄せる人口比1000倍の観光客 それでも「観光客嫌い」が起きない理由とは?

https://news.yahoo.co.jp/articles/16b52a3b7344f9e5a5729f3b52712abd644270c5?page=1

いいなと思ったら応援しよう!