ペイシェントボイスカフェ(GIST:消化管間質腫瘍)

【日程】
2023.11.5

【ゲスト】
土橋 武彦さん

【イベント紹介】
患者と医療を繋ぐ活動の一環である。
薬剤師他、医療関係者が患者さんの実際のお話しを聴くことで、患者視点や想いを知り、臨床における薬剤師の発想を広げてコミュニケーション能力向上へ繋げていただくことを目的にしている。
また、参加者同士の交流の場としても機能している。


【経過】

10年前にGISTに罹患
当時は何が何だか分からない状態だった。
治療は地元の総合病院で行っている。
GISTに罹患している
>人口10万人あたり1人という希少がん
>発症部位は胃と小腸が多い(直腸や食道はまれ)
>肉腫の分類で遺伝などの原因ではない

【GISTの治療(私の場合)】

胃隆起性病変と診断>胃の粘膜下腫瘍
→これ以上だと悪性の可能性もあるよ
 ▼
すっきりしたいから手術をしたい(胸騒ぎがした)
手術は開腹手術になった
>腹腔鏡から切り替えたのは、少ないながら悪性の可能性があったから
>ハイリスクで再発の可能性があったので
>分子標的薬(グリベック):自分の遺伝子型と合うかたちだった
 ▽
血液検査とCTは年に1回になった
健康診断は6ヶ月に1回やっているので、主治医に開示している

3年たった頃主治医と相談
>再発する可能性があるハイリスクのため、効果がある限り服薬継続に

【遺伝子解析】

初めてGISTという診断を聞いた
子どもの将来もあるので「生きたかった」
自分のことを正しく知りたい
>肉腫専門の先生をセカンドオピニオンへ
 ▽
どんな病気で、どんな治療で、どれだけの効果があるのか
納得して治療したかった
後日専門医の診断を受け遺伝子解析
>3ヶ月後結果が出た
 ▽
その結果、グリベックが有効であると肉腫専門の医師から聞けた
自分の意志で治療を続けることを決めた

患者相談支援センターでお世話になった方と
イベントで再会
>元気そうで良かったと言ってもらえた。

遺伝子解析>生きていけることへの希望がもてた

【内服薬】

グリベック(4錠)
ラックビー
マグミット
ガスター
プロマック
(芍薬甘草湯:副作用対策)

分子標的薬は高額なことを知った
子供達の教育費などに対して払えるか心配だった
告知後、薬の説明に来てくれた薬剤師に「こんな薬飲めるか!」と言ってしまった
「高額療養費制度があるから」とか「飲んでください」
と十分な説明を受けられなかった
(初めての診断で、受け入れがたかった)

【副作用】

吐き気(飲み始めてから1年半毎日)や下痢(天候に左右されやすいこともある?)、
肌の色が白くなり、浮腫み(顔のしわが目立たなくなるから、これは許せるかも、と知り合いが)
筋肉のつり(あくびをすると顎が攣る、舌が攣るとしゃべれない)、
皮膚が薄くなり、手足の擦り傷ができやすい(内出血も)
爪が割れやすい(Hb数値低くなるので)、巻き爪、汎血球減少症、疲労感、倦怠感

【生活することの悩み】

『見えない副作用』
顔の浮腫みなど外見の変化は多少あるが、倦怠感や吐き気など見えないのが辛い
医療費が必要で、収入を減らすことができない
職場の理解・配慮も必要
分子標的薬>一般に知られていない(脱毛していないから、治療中ということを知ってもらいにくい)
精神的に参って、体重10kgくらい減ってしまった
(上司の提案から)社内報で社員に知ってもらった

薬を飲む>毎日のこと、必ず副作用がある、毎日辛いということがある(しんどいもの)
 ▽
好きなことをやろう(思いっきりが必要なことがある)
>お得な切符があるということで旅行に行ってきた

【薬剤師さんとの関わり】

院内処方>翌年に院外処方へ
薬の代金をカードで(ポイントが貯まるため)
高い治療費を自分に還元
 ▼
薬剤師から、この薬(プロマック)を処方してくれる先生はすごく良い先生ですね、と
(話すきっかけ)
体調の変化とか少しずつ話すようになった

お薬手帳カバーを自分で作った
>手帳の活用
カバー:GISTの患者会からカバーを作った
薬剤師は薬から病名を推測している
>憶測で誤解を生むのではなく、正しいことを知ってもらうために患者から情報開示

【薬剤師さんへ期待すること】

薬の保管方法って意外と知らない(夏場はどうしたら良い?)
同じ境遇の方とお話しをしたい(告知の直後は孤独なので)
告知の直後真剣に考えたのは、お金の問題
>治療するためのお金どうする・・・?将来のこと生活のことどうする?
ベストな解決策を薬剤師さんと一緒に考えられたらと想う

43歳で告知された
まだまだと思っていた人生の終わり方を考えることができた
次にチャンスが来るとは限らない
悔いが残らないように、後回しにしない
〈生きることは諦めたくない〉

【質疑応答】

○高額療養費制度について、薬剤師からはそんなに詳しくなかったということだが、最終的にどこでたどり着いたのか
 ▽
自分で調べた。病院薬剤師からそういう冊子は渡された。素人なので、中身は詳しく知らない。高額な医療費をどうやったら減らせるか?を突き詰めていく。
主治医に最大何日まで出してもらえるかも確認した。年収なども書き方などを自分で調べてやった。

○薬の説明の仕方としてどういうパターンが良いか?
 ▽
最初から、お金のことを専門家と一緒に考えて行けたら嬉しい。どういった方法で具体的に、こういう金額で、というのを知りたい。

○3ヶ月分の薬の保管について、ネット?患者会?どうやって方法を知った?
 ▽
瓶に入れといたら、湿気も防げるし、良いかなという思い込みでした。

【次回予告】

12月17日(19:00~20:30)
テーマ:脳脊髄液減少症・漏出症
ゲスト:松本 広海さん

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