夜、冴えた目でこわごわ歩く
交番に車が戻ってくる。黒い世界に赤い光が静かに光っている。
新聞の配達所からは、目の高さまでまっすぐな光がさしこむ。3台のバイクが鳴っている。朝の訪れのような音だ。
こんなに静かな夜なのに、川は走るように流れていく。
すっと音が消える。この先はお店が少ない。駅の方向に戻る。
人がふたり、ひとり、ひとり、ふたり、ひとり。
終電から出てきたのだろう。
ふと、都心であればまだ飲み足りない人がふらふらと歩いているのだろうなと、喧噪をふっと想像する。
頭のなかが都会にそまり、タクシーが