オオシマザクラのこと
三浦半島に引っ越してきて、
オオシマザクラを見かけることが多くなりました。
三浦半島の春の森は、
オオシマザクラ白色とヤマザクラのピンク色の
両方をみることができまるで花束のよう。
この景色はこの地域ならではのように思います。
オオシマザクラの自生は
伊豆半島、房総半島、三浦半島となっていますが、
もともとは伊豆諸島が起源といわれているそうです。
薪炭林として人が持ち込んだものが、
再生力の強さなどから野生化したといわれています。
交雑しやすく、
山ではヤマザクラやカスミザクラとの交雑もみられるそう。
原産ではない地域では、
オオシマザクラを植栽することで、
遺伝子汚染が起こることが心配されています。
その事情を知ると少し複雑ではありますが、
それでも、
花の時期はそんな懸念も忘れて、
オオシマザクラの花を楽しんでしまう自分がいます。
北国生まれの私にとって、
オオシマザクラは公園や植物園に数本あるのを見かける程度。
真っ白で大きなその花の姿はとても魅力的で、
元気がでます。
歩いていると当たり前のようにみかける環境が嬉しく、
去年は大感動でした。
今年は少し落ち着いてじっくり観察。
そして気が付きました。
多くのオオシマザクラが香ります。
図鑑では芳香がすると書いていますので
もしかしたら全部なのかもしれません。
また、
園芸品種の勉強をしていて気が付いたのは、
香る園芸品種のサクラは片親がオオシマザクラでした。
先日、
浦賀にある東叶神社の裏の山で
大きなオオシマザクラに出会い、
改めてよく観察することができました。
萼筒のスマートさや花柄の長さ、
托葉があり縁が蜜腺になっていること、
花びらに浅い切れ込みがあること。
他のオオシマザクラをみるチャンスもありましたが、
ヤマザクラのように葉が赤かったり、
花色がピンクがかっているものもあったので、
もしかしたら交雑しているのかもしれません。
とにもかくにも
今年は観察する機会が沢山ありました。
少しだけ、
オオシマザクラとの距離が縮まったような気がしています。