初めての音楽との出会い

私が初めて音楽を意識するようになったきっかけは、坂本龍一さんです。中学生の頃にリゲインのCM曲「energy flow」が流行り、そのピアノ曲を弾いてみたいと思ったことが最初の楽器経験になりました。それまではとんと音楽自体興味なかったのに、まったく人間とは不思議なものです。

ピアノ教室行くお金もなく、家には電子ピアノも無い為、鍵盤の足りないキーボードを代わりにして練習したり、音楽室のピアノを先生に言って少し弾かせてもらったりしながら、少しずつ憧れの「energy flow」を覚えていきました。当時は拙いながらも一曲最後まではなんとか弾けましたが、今となってはピアノ自体弾くこともめっきり少なくなってしまいました。

ピアノは弾かなくなりましたが、その後の自分の音楽人生には坂本龍一さんの影響はかなり色濃くあり、YMOにはまったり、そこから細野晴臣さんの音楽聴き始めたり、はっぴいえんどの存在を知ったり、と連鎖的に色々聴くようになるのも、あのCM曲が無ければもっと遅くなっていたことでしょう。

坂本龍一さん自体がポップスであったり、映画音楽であったり、と様々な音楽シーンで活躍されているのもあって、追っていくと色々なスタイルの音楽を自然に聴くことになるのはとてもありがたいことだな、と改めて思います。曲の中でインドネシアのケチャや沖縄民謡が入り混じったり(「NEO GEO」ほんとおすすめです)もするので、そこから民族音楽への興味も湧いてきて、民族音楽学者の小泉文夫さんの存在を知れたことも坂本さんがきっかけでした。この小泉文夫さんは東京芸大で教鞭をとっておりかなり人気の講義で、当時学生だった坂本さんも聞いていたそうです。なんともうらやましい限りですね(笑)

坂本龍一さん経由で非西洋音楽にも耳が開かれたことによって、音楽自体を様々な側面から考える癖がついたことは自分にとってはとてつもない財産です。そして、そこから民族音楽や民俗音楽への興味を深めていけたのは小泉文夫さんの書かれたエッセイ(『音楽の根源にあるもの』おすすめです)のおかげでもあります。

坂本龍一さんからはじまって小泉文夫さんまで、たどっていくことで今までの音楽の変遷にかなり影響されていることに改めて気づきました。やはり最初に聴いた音楽というのは、その後にも影響が大きいものですね。

もちろん他の方の音楽からの影響や変遷もあるのですが、たまにはこうして自分の最初のきっかけを振り返ってみるのも楽しいものです。今日は教授の曲でのんびり過ごしましょうかね(笑)

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