45歳で自然妊娠された例
2020年はコロナの影響で明るいニュースが少ない中、嬉しい知らせがありました。なんと45歳の方がめでたくご妊娠されました。しかも初妊娠で自然妊娠ですよ。それだけではなく、ここにはストーリーがあったのです。
この方は42歳の時、初めて来られました。その時はまだ独身で、バリバリ働く中間管理職のキャリアウーマンでした。悩みは頻繁に起きる頭痛と、毎晩お酒を飲まないと眠れない不眠症でした。仕事のストレスがとても多いようでした。
色々話をする流れで、彼女はまだ結婚相手はいませんが、決して結婚も子供も諦めていないので、将来のために今身体作りをして置きたいと胸の内を話してくれました。
彼女の頭痛はほぼ毎日起き、特に生理前になると酷くなる傾向がありました。残業が多く、帰宅が遅いため就寝時間も足りないうえ、なかなか寝付けないので毎晩お酒を飲むとの事でした。生理周期は大きく乱れたりはしてないようでした。舌の色が淡く、舌の苔は正常でした。
総合的に分析した結果、気血両虚(身体が弱く、パワーがない)、肝気欝結(気の流れが滞っている)という状態です。薬は気血を補うものと気の滞りを流してくれるものに腎を補うものを提案しました。
またストレスに関しては、物事の考え方を如何に変えて行くかを優しく伝えました。アルコールは肝の働きを悪くするので、なるべく飲まないようにと若干厳しく言いました。
漢方を飲んで一ヶ月くらいしてから頭痛はほとんど起きなくなり、寝つきも良くなって来ました。その後は月一回のペースで私の所に来て、体調を整えてもらいがてら仕事の悩みも話すようになりました。彼女曰く、私と話をすると気持ちが楽になり、また頑張れるんだそうです。ヘルスケアの半分はメンタルケアでもありますからね。
月日は経ち、2019年の秋に彼女にはパートナーができました。そこで私はさらに腎のパワーを上げるものを提案しました。漢方医学では妊娠の力は腎からくるものだと言います。
去年の春に入籍もでき、6月には妊娠陽性が出ました。その後の妊娠ケアは今も続いていますが、つわりもほとんどなく、順調です。幸せな彼女を見ると私もほっこりします。
今回の症例は年齢的に自然妊娠確率5%以下という中での妊娠であり、もう一度漢方薬の素晴らしい働きを見せてくれました。今の時代は結婚がどんどん遅くなる傾向があり、結婚して子供を授かろうとする時にはもうすでに40歳過ぎになるパターンも多く見られます。妊娠率は35歳を過ぎると急激に下がりますが、これは卵巣の老化が加速するからです。そして意識の高い方は結婚前から将来のために身体のケアをしていますね。とてもスマートな考えだと思います。
2021年3月
中医学アドバイザー 井上松春
薬剤師 早川友樹
誠心堂薬局 池袋店
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