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もし聖徳太子の「十七条憲法」を部長が発布したら。つまり現代ビジネスパーソン向けの訳。途中。

聖徳太子の十七条憲法 カモシカ氏意訳

<第一条>

この部では、和を大事に考え、争わないことを第一としよう。誰でも気の合う仲間でかたまりたいものだし、頭の本当にいい人なんて少ないだろう?だから、いろんなことを決めてる人達に無闇に反抗したり、部内やグループ内で険悪な空気になったりする。

でももし、上長達がリラックスし心を開き、メンバーはそれを慕いつつ、両方が素直に「思ったことを敬意を持って直接伝える」ことを意識したら、どんな仕事でも道理に従って自然にうまくいくように世の中は出来ているのだと思います。

「和」という字を今期の部の一番大事な方針にします。

【原文】
一に曰く、(やわらぎ)を以て貴しと為し、忤(さか)ふること無きを宗とせよ。人皆党(たむら)有り、また達(さと)れる者は少なし。或いは君父(くんぷ)に順(したがわ)ず、乍(また)隣里(りんり)に違う。然れども、上(かみ)和(やわら)ぎ下(しも)睦(むつ)びて、事を論(あげつら)うに諧(かな)うときは、すなわち事理おのずから通ず。何事か成らざらん。

聖徳太子の十七条憲法

<第二条>

普遍的な成功法則の原理に立ち戻ろう。

それは「知恵」と「ルール」と「仲間」の3つを大切にすること。

どんな人にも共通し、どんな時代や場所にも当てはまる原理原則を土台にすれば何事もうまくいくよね。

別の言い方をすると「学び続けるスタンス」、「全体を見て成果を上げる為の仮説を立てるスキル」、そして「人を気持ちよく動かす力」の3つを大事にすることで、例え間違った方向に進んでいっても、ちゃんと正しい道に戻ってくることができると思うのです。

【原文】
二に曰く、篤く三宝を敬へ。三宝とは(ほとけ)・(のり)・(ほうし)なり。則ち四生の終帰、万国の極宗なり。何れの世、何れの人かこの法を貴ばざる。はなはだ悪しきもの少なし。よく教えうるをもって従う。それ三宝に帰りまつらずば、何をもってか枉(ま)がるを直さん。

<第三条>

上長やリーダーの方針を真剣に受け止めようね。リーダーは“方向性を示す者”、メンバーは“実行する者”という”役割”です。リーダーが明確に方向性を示し、チームがそれを支えればPDCAサイクルがスムーズに回り、個は尊重され適材適所に役割を得ますよね。個を重視することから世の中の方向性を考えるような逆の動きと取ろうとすると組織は容易に壊れて腐敗してしまいます。リーダーは自分を高め、視座の高さと負っている責任で信頼されるべきで、メンバーは団結して協力的に動くこと。そうすれば、マネジメントとガバナンスが機能し、その組織は秩序立って安定しトラブルが減ります。

【原文】
三に曰く、詔を承りては必ず謹(つつし)め、君をば天(あめ)とす、臣をば地(つち)とす。天覆い、地載せて、四の時順り行き、万気通ずるを得るなり。地天を覆わんと欲せば、則ち壊るることを致さんのみ。ここをもって君言えば臣承(うけたま)わり、上行けば下靡(なび)く。故に詔を承りては必ず慎め。謹まずんばおのずから敗れん。

<第四条>

人の上に立つ者ほど、礼儀やマナーをコミュニケーションの基本とし、失礼な行動や言動を恥じること。仕事ができるできない以前に、人の価値は礼儀によって決まるもの。上長の非礼は部下の礼儀の乱れとなり問題が必ず起きるもの。まずは上長が敬意を持って礼儀正しくメンバーに接すれば、部下も気持ちよく協力し秩序を保ち、結果として組織は自ずと良い風土を醸成し、スムーズに物事が進むものです。
 ※つまり、三条ではルールと管理で組織が安定する(治まる)ことを言い、四条では信頼と風土で組織が円滑に動く(理まる)という両輪を表現している。

【原文】群卿百僚、礼を以て本と為す。其の治民の本、要は礼に在り。上礼を失し、下非ざることなかれ。下礼を失うれば、必ず罪を生ず。是、君臣礼を有す。位次乱れざることを得。百姓礼を有すれば、国家自ら治まる。

<第五条>

上に立つ人達は、私利私欲を超え組織の公正さを担保すること。メンバーからの不満の声は毎日発生しますが、上長が自己保身や自己利益を優先すると、強い者が優先され、弱い者は軽視される。強い者は石を水に投げるようなインパクトを持ち、弱い者は水を石にかけているような気持ちになる。不平等や不信感は組織の信頼や秩序を崩します。公正さという道を大切に。

【原文】
五に曰く、饗を絶ち欲することを棄て、明に訴訟を弁(さだ)めよ。それ百姓の訟(うったえ)は、一日に千事あり。一日すらなお爾(しか)るを、いわんや歳(とし)を累(かさ)ねてをや。このごろ訟を治むる者、利を得るを常とし、賄(まいない)を見てはことわりもうすを聴く。すなわち財のあるものの訟は、石をもって水に投ぐるがごとし。乏しきのものの訟は、水をもって石に投ぐるに似たり。ここをもって、貧しき民は所由(せんすべ)を知らず。臣道またここにかく。

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カモシカ関
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