サザエが最近発見されたばかりの「新種」だなんて…
荻上チキさんのラジオ「Session」が好きでよく聴いています。
分類学者の福田宏先生をお招きした1/11の特集がなかなか衝撃的でした。
貝のサザエは、2017年に福田先生が「新種」として発見したそうです。
福田先生は軟体動物多様性学会【公式】の中の人
■サザエありがとう!
新種発見のきっかけは映画「日本のいちばん長い日」で、昭和天皇がサザエについて熱く語っていたこと。
それを偶然観た福田先生が真偽を確かめようと古今東西の文献を調べたところ、実は誰もサザエに学名をつけていなかったことが判明!命名に至る、というお話でした。
「新種発見」とは、学名のない種に学名がつけられること。あんなに有名な生物に学名がついていないだなんて・・・、そんなことがあるんですね。
ところで、昭和天皇は無類の貝好きだったとのこと。1945年、東條英機は例え話にサザエを持ち出して継戦を主張したところ(貝話なら天皇ものってくれると思ったでしょうか?)、昭和天皇がサザエ談義で論破し、東條は引き下がり終戦とあいなったそうです(史実)。
おおぉ〜と感心した私は妻に「戦後の日本があるのはサザエのおかげらしいよ!」と熱く語りました。
「サザエありがとう!・・・って返しをできるあたしを褒めるといいよ。」と冷静な妻。
うん、まぁ、確かに。サザエ発見から戦後の歴史まで一気呵成に事細かに話したことを相槌打ちながら聞いてくれてありがとうございます。
映画の原作となった半藤一利の本も読みたいです
■分類学者の脳内
「ほとんどの人が1秒とかからず同定できる。」と分類学者について語る福田先生。
新種発見の第一歩は、実物や写真を分類学者さんが見た時に、脳内データベースにHITするかどうかだそうです。
福田先生は幼稚園の頃から図鑑を丸ごと覚えられたとのこと。全部脳内にあるから索引も不要。
最近はDNA解析の技術が進んで、図鑑もどんどん変わっていくけれど、出るたびに丸暗記するそうです。
ううむ、なんと類い稀な天才的頭脳を・・・と思ったところで、ふと幾人かの子どもたちを思い出しました。
あれ?図鑑大好きで丸暗記している子、学校にも時々いるかも…。
■図鑑大好きっ子の持つ強み
教室での勉強は苦手だけれど、図鑑は大好き!隅々まで読み込んで覚えてる!!という子どもは時々います。
中には、興味が向いたことに強いこだわりがあり、コミュニケーションに困難さを抱えていて、休み時間に図鑑を黙々と読んでいる子も。
話を聞くと、隅々まで読み込んだ人しか気づかないような知識を語ってくれて、なかなか面白いのです。
保護者の方とは「将来、学者とか向いているかも!」という話題で盛り上がったりもしました。
でも本当に、そういった特性を持っているからこそできる仕事、特性を活かせる仕事って他にもありそうですね。
■つんつんしたあれも新種かも?
さて、ラジオでは「海の生き物で判明しているのは1割程度。9割は新種として発見されるのを待っている状況。」という話も語られていました。
4歳児が見つけたヨコエビの仲間の名前を知りたくて専門家に送ったら、新種だった!という逸話も。発見困難な深海生物ではなく磯の生き物の中にも、意外と「未発見」の種がいる可能性があるそうなのです。
磯でつんつんした生き物が新種かも?と考えると夢がふくらみますね。
夏、家族でシュノーケリングに行くときには、「ちょっと新種でも探してみようか。」なんて言ってみようと思います♪
●「Session」はSpotifyでも聴けます。
●ラジオで初回していた書籍「新種発見!」について、著書のお一人がnoteを書かれていました。
#Session #新種発見 #日本のいちばん長い日 #特性