元カノの本棚で見つけた小説-童貞喪失と『電氣人閒の虞』(ネタバレなし)
はじめに
すぐ本文読みたい方は【本文】へ。
この記事は全くネタバレを含みません。内容よりも「この本を読んだ僕の人生がどう変わったか」だけ書いています。この記事読んで本の方に興味湧いた方、是非紹介してる本も読んでみてください。
詠坂雄二『電氣人閒の虞』
光文社さんから、詠坂雄二先生の文庫小説3タイトルが新帯付きで重版されて、書店に並び始めました。おめでたい。帯に僕の名前とコメントが。ありがたい。光文社さんの方角に敬礼。
この3タイトルの中で『電氣人閒の虞』は、僕が前に出した電子書籍エッセイ『書店員芸人~僕と本屋と本とのホントの話』の中で、この本が出てくるエピソードも書いてます。
このエピソード、本の内容とは98%ぐらい関係ないんですが、何故か読んだ人の中で評判が良く、このエピソードきっかけで文芸誌のコラムが決まったりしました。ただダサいやつが童貞卒業した話なんですが……
折角書店で『電氣人閒の虞』が皆さんが手に入りやすい状況になったので
販売元の代官山ブックスさんに許可を得まして
このエピソードを加筆修正してバラ売り200円で出してみる事にしました。(冒頭13行無料)
こういう「本と自分の人生」が繋がってるエピソードが9つと2021年までの僕の芸人活動が全部知れるエッセイ。『書店員芸人~僕と本屋と本とのホントの話』note版は900円なのでまとめて読みたい方は是非こっちで
それでは本文をお楽しみください。
本文
芸人をはじめてしばらくして、ある悩みにぶつかりました。
それは女性経験がないということ。彼女ができたりはしたんですが、そういうことが起きる前にフラれることが多かったです。
今でこそ童貞キャラというのも認知されて、テレビで公表している芸人さんもいますが、当時はマジで「童貞の芸人は絶対に売れない」みたいな空気が蔓延してました。最後の肉食芸人世代を見ていたと思います。僕はシマウマです。
そんな僕にもチャンスが訪れます。気になっていた女子といい感じになってウチまで来てくれて、2人でテレビを見る。絶対そういうときはオシャレな映画を見たほうがいいのに、僕はなぜか大泉洋の「水曜どうでしょう」を流してました。
そんな台なしな空気でもそういうムードになり、僕は思い切って「初めてなんです…」と伝えると
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